このような悩みをお持ちの方に向けて、この記事を書きました。
- 退職を伝えたのに、上司やパートナーに何度も引き止められている
- 「繁忙期が終わったら」と言われ続けて、もう何ヶ月も経ってしまった
- 退職しようにも自分の判断が正しいのか自信をなくしてきた
- 辞める手続きを具体的にどう進めればいいかわからない
私自身、Big4監査法人でスタッフとして監査・アドバイザリー業務を経験した上で転職を経験しています。
組織側で同期を送り出したり、自らも辞めたりといった経験があるからこそ、表面的ではない対処法をお伝えできると思っています。
結論から申し上げると、監査法人の引き止めは「あなたへの期待」ではなく「組織の都合」から来ているケースがほとんどです。
その構造を理解した上で、冷静に・順序よく動けば、大半のケースは円満退職できます。
早速まいりましょう!
\監査法人出身者の転職に強いエージェントはこちら/
リメディ / 会計士・監査法人出身者の転職支援実績が豊富。非公開求人も多数保有。
1. 監査法人の引き止めがしつこい理由

まずは、監査法人の引き止めがしつこい理由について深掘りします。
① 組織側のホンネ:「辞められると本当に困る」
引き止めが強い最大の理由は、監査法人業界全体が慢性的な人手不足にあるからです。
感情論でも、あなたへの愛着でもありません。
Big4・準大手を問わず、クライアント数に対してスタッフの頭数が足りていない現場は多く、1人の退職が直接的にチームの稼働を圧迫します。
上司やパートナーが必死に引き止めるのは、組織側のアサインの都合だと理解しておくと感情に流されにくくなります。
「あなたに期待しているから」という言葉が出てきても、それが本心であれ建前であれ、あなたのキャリアの優先順位を下げる理由にはなりません。
② 「繁忙期が終わったら」と言われ続けた結果どうなるか
よくあるパターンがこれ。
「3月決算が終わってから話そう」→ 終わったら「9月中間があるから」→ 「年内は難しい」→ また3月へ……
このように繁忙期のたびに退職時期がズレていき、気づけば1年以上が経過している...という話は、私の周囲でもあるあるです。
先延ばしが続くと、自分の「辞めたい」という意志そのものが鈍ってきます。
「まあ、もう少し待てばいいか」という思考が入り込んできます。
これは意志が弱いのではなく、組織の構造的な引き止め戦略に踊らされている状況とも取れます。
「繁忙期が明けたら」を退職の条件にしてはいけません。
退職の意志を先に固め、繁忙期は後から調整するのが正しい順番です。
2. よくある引き止めの手口&切り返し方

よくある引き止めの手口と、その具体的な切り返し方について見ていきましょう。
① 「チームに迷惑がかかる」と言われたとき
感情に訴えてくる、最も多いパターンです。
チームメンバーの顔が浮かぶだけに、罪悪感を感じやすいかもしれません。
まず前提として、スタッフの入れ替わりを前提として回っていないチーム運営は、そもそも組織側の問題です。
あなたが迷惑をかけているのではなく、人員計画を適切に管理できていない組織側に問題があります。
具体的な返答例としては、
「チームへの影響は私も気にしています。だからこそ、早めにお伝えして引き継ぎに十分な時間を取りたいと思っています。退職日は〇月末を希望しています。」
といったように、配慮している姿勢を見せながら退職日は変えない。
これが基本です。
② 「昇格を検討している」と言われたとき
条件を出してくるパターンです。
これは一番「揺さぶり」として機能しやすいので、冷静に見極める必要があります。
判断の基準はシンプルで、
「その昇格は、今の退職意志がなければ自然に出てきた話だったか?」
を考えることです。
退職を伝えた途端に出てきた昇格の話は、多くの場合「引き止めのための交渉材料」です。
乗るべきでないケースの目安はこちらです。
- 「検討している」で確定していない
- 昇格の時期が曖昧
- 転職理由が待遇ではなく、職種・環境・将来性への不満
転職理由が給与だけなら話し合う余地はありますが、キャリアの方向性に関する不満は昇格で解決しません。
③ パートナーに個別で呼ばれたとき
「少し話しましょう」と1on1の場に呼ばれるパターンです。
ここで失敗しやすいのは、本音を出しすぎて、引き止めの材料を与えてしまうこと。
- 「転職先の条件が不満なら交渉しよう」と言われた際に転職先の詳細を明かしてしまう
- 「どんな仕事がしたいか」を詳しく語りすぎて「それならうちでもできる」と返されたりする
といったケースがあります。
パートナー面談での基本姿勢は、「退職の意志は固まっています」を繰り返すことです。
理由を詳しく説明する義務はありません。
「一身上の都合で退職を決めました。引き継ぎについては誠実に対応します」
この一文を軸に、余計な情報を出さないことが大切です。
\退職前から動き出したい方へ/
リメディ / 会計士・税理士・法務など専門職特化型エージェント。非公開求人多数。
3. 退職を実際に進める手順(4ステップ)

上記を踏まえて、退職を実際に進めるための手順について解説します。
ステップ① 誰に・いつ・どう伝えるか
最初に伝える相手は直属の上司(マネージャー・シニア)が基本です。
パートナーに先に話してしまうと、上司との関係がぎこちなくなるリスクがあります。
タイミングは、退職希望日の2〜3ヶ月前が現実的です。
法的には2週間前でよいのですが、監査法人の現場では引き継ぎを考えるとこのくらいの余裕が必要です。
最初の一言は、曖昧にしないことが大切です。
「退職したいと思っている」ではなく、「退職することを決めました」という言い方をしてください。
「検討中」と受け取られると、交渉の余地があると判断されて引き止めが長引きます。
ステップ② 退職届の出し方と「2週間ルール」の現実
民法により、雇用期間の定めがない場合は2週間前に申告すれば退職できます。
ただし、監査法人の現場ではもう少し慎重に考える必要があります。
繁忙期のど真ん中に2週間で退職しようとすると、チームへの影響は大きく、場合によっては有給消化の交渉も難しくなります。
現実的な使い方としては、「最悪、2週間で辞める権利がある」という事実を自分の心の支えにしつつ、実際の交渉では2〜3ヶ月の余裕を持って進めるのがうまくいきます。
退職届は口頭での意思表示の後、書面で提出するのが確実です。
口頭だけだと「まだ決まっていない」と扱われるリスクがあります。
ステップ③ 引き継ぎはどこまでやればいいか
「誠実にやり切った」と言える最低ラインは、
- 引き継ぎ資料の作成
- 後任者へのある程度十分な説明
の2点です。それ以上は必須ではありません。
抱え込みすぎると、退職日が延び続ける原因になります。
引き継ぎに期限がないと「もう少し待ってください」の繰り返しになるからです。
引き継ぎの範囲は最初に上司と合意しておくことをお勧めします。
「〇〇まで引き継ぎます。それ以降は対応が難しいです」
と明確にしておくことで、後から「まだ終わっていない」と言われにくくなります。
ステップ④ 有給消化と最終出社日をどう交渉するか
残った有給は原則として全て消化できます。
交渉の進め方としては以下のように、退職日と有給消化の開始日をセットで提示するのが有効です。
「退職日を〇月末とし、有給残〇日を逆算して〇月〇日を最終出社日としたいと思います」
断られた場合は、「有給取得は労働者の権利であり、消化できない場合は買取をご検討いただけますか?」と伝えると交渉しやすくなります。
引き止めを振り切り、確実に退職〜転職を成功させるための具体的なステップは、以下の完全ロードマップで解説しています。
-
-
こちらも!!Big4監査法人を辞めたい人のための退職&転職完全ロードマップ
このような悩みをお持ちではないでしょうか。 繁忙期が終わるたびに「もう辞めたい」と思う 転職したいけど、監査しか経験がなくて市場価値があるか不安 退職を切り出すタイミングがわからない 転職先として何が ...
続きを見る
4. それでも辞めさせてもらえないときの対処法

色々やってみても、なかなか辞めるのが難航している...という場合は以下の対処法を試してみてください。
① 人事部に直接相談する
直属の上司・パートナーラインが機能しない場合、人事部に直接相談するという選択肢があります。
リスクとしては、上司との関係がより硬直化する可能性があることです。
ただし、退職の意志が明確で、交渉が何ヶ月も進まない状況であれば、人事部への相談はむしろ正当なエスカレーションです。
「上司を飛ばした」ではなく「適切なチャネルを使った」と捉えて構いません。
② 退職代行を使うのはアリか
会計士業界での退職代行の使用は、まだ少数派ですが確実に増えています。
退職代行が選択肢に入るのは以下のような状況です。
- 上司・人事部ともに交渉が進まない
- ハラスメント的な引き止めを受けている
- 精神的に疲弊していて自分では動けない状態
一方で業界は狭いため、代行を使ったことが知人経由で広まるリスクはゼロではありません。
個人的にはあまり使用しない方がいいと考えているので、あくまで最後の手段の一つとして捉えるのが現実的かと思います。
③ 弁護士に相談するケース
退職妨害があまりにもひどい場合は、弁護士への相談が有効になります。
費用感としては、初回相談は無料〜5,000円程度の法律事務所も多く、着手金は交渉内容によって異なります。
労働問題専門の弁護士であれば「相談した結果、そこまでする必要はない」と判断してもらえることもあります。
脅しのためではなく、本当に困ったときに使うための選択肢として知っておくと心強いです。
5. 辞めた後の転職、どう動き始めるか

辞めた後をシミュレーションしつつ、転職活動の具体的な方法についても紹介します。
① 転職エージェントには退職前から登録しておく
退職後に登録する、は基本的におすすめしません。
空白期間があると、エージェント・企業側から「なぜ退職後に動いているのか?」という疑問が生まれやすくなります。
退職前から登録して情報収集しておくことで、「転職先が決まってから退職」という理想的な流れを作れます。
在職中の転職活動は大変ですが、精神的な余裕もまるで違います。
私自身も転職の際はエージェントへの登録を退職前から進めていましたが、「まず話を聞くだけ」という形でも全く問題ありませんでした。
② 監査法人出身者が使うべきエージェントの選び方
会計士・監査法人出身者の転職では、会計・財務・コンサル領域に特化したエージェントを使うのが基本です。
一般の転職エージェントでは、監査経験の価値を適切に評価してもらえないケースがあります。
代表的なエージェントの特徴はこちらです。
リメディ / 会計士・税理士・法務など専門職に特化したエージェント。中堅・中小企業の求人も充実しており、経理・財務ポジションも幅広く保有。
【AXIS Agent(アクシスコンサルティング)】 / 公認会計士・監査法人出身者向けに特化。CFO・FAS・コンサルへの転職実績が豊富。担当者自身がキャリア理解を持っているケースが多い。
私自身も複数のエージェントに登録して比較しましたが、得意分野が異なるため、1社だけに絞らず2〜3社に並行登録するのがお勧めです。
まとめ:監査法人の引き止めを乗り越えて、自分のキャリアを取り戻す

この記事で解説した内容を整理します。
- 引き止めは「組織を守ること」から来ている。感情論ではなく構造的な問題だと理解する
- 「繁忙期明けに」という先延ばしに乗らない。意志を先に固める
- 昇格・感情・面談での揺さぶりには、それぞれの切り返し方がある
- 退職の意思表示は「決めました」と明確に。退職届は書面で出す
- 引き継ぎ・有給消化の範囲は最初に合意しておく
- 動かない場合は人事部・退職代行・弁護士という選択肢がある
- 転職エージェントへの登録は退職前から
退職することは、裏切りでも逃げでもありません。
自分のキャリアに責任を持つための、正当な選択です。
監査法人での経験は、どんな転職先でも確実に評価されます。
ぜひ、次のステージへ自信を持って踏み出してほしいと思います!
リメディ / M&A・FAS・コンサルティングファームに特化したハイクラス向けエージェント。Big4やMBB出身者による質の高いケース面接対策など、専門的な選考サポートが強み。
【AXIS Agent(アクシスコンサルティング)】 / 公認会計士・監査法人出身者向けに特化。CFO・FAS・コンサルへの転職実績が豊富。担当者自身がキャリア理解を持っているケースが多い。
監査法人を辞めたい方向けの退職交渉から転職活動の進め方まで、失敗しないための全体像は以下のロードマップで網羅しています。
-
-
こちらも!!Big4監査法人を辞めたい人のための退職&転職完全ロードマップ
このような悩みをお持ちではないでしょうか。 繁忙期が終わるたびに「もう辞めたい」と思う 転職したいけど、監査しか経験がなくて市場価値があるか不安 退職を切り出すタイミングがわからない 転職先として何が ...
続きを見る