この記事を読んでいるあなたは、こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
- 監査法人からアドバイザリーへの移動を考えているが、後悔しないか不安
- アドバイザリーって実際きつい?年収は上がるの?
- 移動した先輩がなんとなく大変そうで、踏み切れない
- 後悔したとして、監査に戻れるのか知りたい
このようなお悩みにお答えします。
私自身、事業会社からBig4監査法人にアシスタントとして入り、USCPA取得後にスタッフへ昇格。
会計監査を経て、会計アドバイザリー部門でも勤務経験があります。
いわゆるFASについては内部経験こそありませんが、協業や周囲からの情報収集を通じて、外側から多くのことを見てきました。
結論から申し上げると、「後悔する人」と「活躍する人」は、異動前の情報収集&自己分析で、ほぼ決まっていると感じています。
移動してから「こんなはずじゃなかった」となるのは、多くの場合ミスマッチによるものです。
この記事では、後悔のパターンを具体的に整理した上で、移動前にやっておくべきことを解説します。
詳しい内容を早速見ていきましょう!
なお、監査法人での経験を活かしてFAS・会計アドバイザリーへの転職を考えている方は、年収・激務度・面接対策まで経験者がリアルに解説した以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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1. アドバイザリーで「後悔した」と感じる人が多い理由

アドバイザリーへの移動を後悔するケースは珍しくありません。
ただ、それは「アドバイザリーが悪い」のではなく、監査とアドバイザリーのカルチャー・評価基準がそもそも異なることの理解不足が原因だと感じます。
① 監査とアドバイザリーで評価されるスキルはまったく違う
監査では、
- 基準への準拠
- 証憑の確認
- リスクの識別
といった、正確性や一貫性が評価されます。
ミスを防ぐことや慎重さがが価値の中心にある気がします。
一方、FASや会計アドバイザリーでは、クライアントの課題に対してスピーディーに提言できるかという「提案力・推進力」が問われます。
「完璧な答えを出すこと」より「使える答えを早く出すこと」が求められる場面が多いです。
監査で鍛えられた「確認して動く」習慣が、アドバイザリーでは「決断が遅い」となることもあります。
② 「専門性を深めたい人」と「幅広く経験したい人」で、向き不向きが逆になる
監査は、特定の業種・テーマを深掘りして専門性を高めたい人に向いています。
同じ業種のクライアントを複数年担当することも多く、専門知識が積み上がりやすい環境です。
対してアドバイザリーは、
- M&Aの会計系のDD(デューデリジェンス)
- 経理支援
- サステナ開示支援
- IPO支援
- 会計基準の相談
など、案件ごとにテーマが変わることが多いため、「浅く広く」になりがちな時期があります。
幅広い経験を楽しめる人には向いていますが、「ひとつの専門を極めたい」という方は最初のうちは要注意です。
それでもいずれは職階が上がるにつれて、どのソリューション・業界に特化するかを考えるタイミングは来る点に留意が必要です。
③ 筆者が両方を経験して、正直に驚いたこと
私自身が会計アドバイザリー部門に移ったとき、一番驚いたのは「依頼のスコープがふわっとしている」ことでした。
監査では、手続きの範囲があらかじめ決まっています。
ところがアドバイザリーでは、「このあたりを検討してほしい」という曖昧な依頼から自分たちでスコープを整理して動くことが求められる場面も少なくありません。
これが「面白い」と感じるか「やりにくい」と感じるかで、向き不向きがかなりはっきり出ると思っています。
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2. 後悔のパターン別・よくある失敗例

後悔の内容にはいくつかの典型的なパターンがあります。
自分がどれに近いかを確認してみてください。
① 拘束時間が思っていた倍だった
FASのDD業務は、案件のピーク時に拘束時間が集中するという特徴があります。
「月に1〜2週間だけ激務で、あとは落ち着く」と聞いていたのに、案件が重なると休みなく続くケースも実態としてあります。
私が見聞きした範囲では、
「1案件だけなら耐えられるが、複数案件をかけ持ちすると消耗する」
という声が多かったです。
年間を通じた平均残業時間より、ピーク時の集中度合いを確認するべきだった、と振り返る方もいます。
なので、異動前に「月最大でどのくらいの残業がありうるか?」を具体的に聞いておくことが重要です。
② 専門性が育たない
アドバイザリーに移って1〜2年経った頃に、「自分は何者/何屋なんだろう」という感覚に陥る人がいます。
監査ではアサインされる監査クライアントが変わらない限り、
- 「IT業種に強い」
- 「製造業のクライアントを複数年担当している」
という軸が強まります。
しかしアドバイザリーは案件の性質上、業種よりもテーマやフェーズで動くことが多いため、専門軸が見えにくくなることがあります。
これは「アドバイザリーが悪い」のではなく、
専門軸を自分で意識して作らないといけない環境
だということです。
受け身でいると、スキルが面に広がるだけで厚みが出ないという後悔につながります。
③ クライアントファーストの文化に馴染めなかった
アドバイザリー(特にFAS系のチーム)は、クライアントの意向に素早く応えることへの意識が非常に高いです。
「今すぐ対応してください」という要求に慣れているメンバーが多く、監査のペースに慣れた方には最初かなりのカルチャーショックになることがあります。
また、アドバイザリーはプロジェクト単位で動くため、チームのメンバーが都度変わります。
監査のように同じチームで長期間関係を育てる、ということがやりにくい職場環境でもあります(上司に気に入られれば継続して同じメンバーでやり取りすることも増えますが)。
なので、人間関係の継続性を大切にするタイプの方には、想定外のストレスになることもあります。
④ 残業代を含めると、監査とほぼ変わらなかった
アドバイザリーは年収が高いイメージがありますが、固定給や裁量労働制の適用によって、残業代が加算されないケースも多いです。
監査では残業代が出る事務所も多く、ピーク期に稼いで年収を押し上げているケースがあります。
それを含めて比較すると、
異動・転職後の年収が思ったより変わっていない……
という経験をした方も少なくありません。
そのため、オファーを受けるときは、固定額だけでなく「見込み年収(残業込み)の実態」を確認することを強くお勧めします。
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3. 異動・転職前に確認しておくべきこと

後悔を避けるためには、動く前に「何を確認するか」を明確にしておくことが大事です。
① 現部門の人間に話を聞く
一番信頼できる情報は、実際にその部門で働いている人のリアルな声です。
ただし、採用側のリクルーターや上司から聞く情報は、ポジティブに偏りがちです。
私がお勧めするのは、移動を検討している部門のスタッフ〜シニアスタッフクラスの人に、なんとかコンタクトをとって直接話を聞くことです。
彼らは「採用したい」という立場ではないので、リアルな話が出やすいです。
- 「残業のピークはどのくらいか」
- 「入ってから想定と違ったことは何か」
を具体的に聞いてみてください(私もこれを実践し、異動後のイメージが湧きました)。
② 「なぜアドバイザリーに行くのか」を自分の言葉で整理する
移動を後悔する人の共通点のひとつは、「監査が嫌だから」という逃げの動機で動いていることです。
- 「監査の繁忙期がしんどい」
- 「同じ仕事の繰り返しに飽きた」
という気持ちは分かります。
ただ、それだけを理由にアドバイザリーに移ると、
- 「アドバイザリーもしんどかった」
- 「やっぱり自分には合わなかった」
という後悔に直結しやすいです。
後悔しないためにも、
- 「アドバイザリーで何を得たいのか」
- 「どんな仕事がしたいのか」
について、自分の言葉で説明できる状態にしてから動くことをおすすめします。
③ 試しに動ける制度を使う
Big4内では、部門間の出向・ローテーション制度が整備されている事務所もあります。
これを活用すると、完全に移籍する前に「自分に合うかどうか」を体感することができます。
ただし、出向制度の運用実態は事務所・部門によって差があり、
- 「制度はあるが実質使えない」
- 「出向した後にやっぱり戻ったという事例がほぼない」
というファームもあります。
制度の存在だけでなく、実際に利用した事例があるかどうかを確認することが重要です。
そのためにも人事や信頼できる先輩、Big4に詳しいエージェントに、率直に聞いてみることをお勧めします。
Big4の異動の事例がない場合に備え、Big4を辞めた後のキャリア選択肢を知りたい方向けに以下の記事も書いています。
⑦会計アドバイザリーから事業会社への転職を経験者が解説|評価される経験・狙うべきポジション
4. 後悔した後でもできること

「環境を変えてみたが、やっぱり合わなかった」となったとき、どんな選択肢があるのかも整理しておきましょう。
① 監査に戻る
結論として、Big4内での部門間移動は不可能ではありませんが、容易でもありません。
- 人員の受け入れ余地があるか
- 移動先のマネージャーや部門長が受け入れを了承するか
- 人事のサポートが得られるか
など、複数の条件が揃う必要があります。
「戻りたい」という意思表示だけでは動かないことがほとんどです。
ただ、私の周囲でも「アドバイザリーから監査に戻った」という事例はゼロではありません(が、かなり少数派な人、という印象でした)。
信頼できる上司や人事に早めに相談することが、選択肢を広げる唯一の方法だと思っています。
② アドバイザリー経験を活かして事業会社に転職する
アドバイザリー経験者は、
- 事業会社のM&A部門
- 経営企画
- CFO組織
などからのニーズが非常に高いです。
DDやバリュエーションの経験なら、事業会社の買収検討や投資判断に直結するスキルとして評価されます。
「アドバイザリーが合わなかった」という経験も、事業会社に転職する際のストーリーとして使えます。
「ファームのスピード感は自分に合わなかったが、アドバイザリー的な視点で経営に貢献したい」
という伝え方であれば、採用側にとって十分に説得力があると思います。
③ 「後悔した経験」をキャリアの話として使えるようにする
後悔したこと自体は、キャリアのマイナスではありません。
「何を試して、何が合わなかったか」を言語化できている人は、採用側から見て自己理解が深いと評価されることが多いです。
大切なのは、「合わなかった」で止めないことだと思います。。
「だから次は〇〇を重視して選んだ」
「その経験から〇〇を学んだ」
という学びや将来のビジョンまで整理できると、後悔した経験がキャリアの強みに変わります。
私自身もゼロから会計業界にキャリアチェンジした経験がありますが、うまくいかなかった時期の話こそ、面接で一番印象に残ると感じています。
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まとめ:アドバイザリーへの異動・転職を後悔しないために

この記事の要点を整理します。
- 後悔の原因は「情報不足」「動機がふわっとしている」ことが多い
- 激務・スキルの浅広化・文化的ミスマッチ・年収の誤算という4つのパターンが典型的
- 移動前に「現場スタッフへのヒアリング」「自分の動機の言語化」「制度の実態確認」を必ずやる
- 後悔しても、事業会社転職や監査へ戻るなど、選択肢は残っている
- 「合わなかった経験」は正直に語れるようにすると、むしろ強みになる
アドバイザリーへ移ることは、しっかり準備した人にとっては非常にやりがいのあるチャンスだと思います。
一方で、なんとなく「監査より面白そう」で動くと、後悔に直結しやすいです。
「なぜ行くのか」を自分の言葉で話せる状態になってから動いてほしい、と心から思っています。
ぜひ焦らず、しっかり情報収集した上で決断してみてください。
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監査法人での経験を活かしてFAS・会計アドバイザリーへの転職を考えている方は、年収・激務度・面接対策まで経験者がリアルに解説した以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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