- 監査法人での仕事がしんどくなってきた……でも転職先ってどこがいいの?
- 年収を上げたいけど、どのルートが現実的なのか分からない
- FASやコンサルって実際どうなの?会計士資格は活かせる?
- 転職活動を始めたいけど、何から手をつければいいか分からない...
これらのお悩みに今回の記事でお答えします。
私自身は、大学卒業後に事業会社で営業職として働き、会計未経験からBig4監査法人のアシスタントへ転職し、USCPA取得後にスタッフへと昇格した経験を持ちます。
会計・監査・アドバイザリー業務を経験してきた立場から、公認会計士の転職について解説していきます。
結論から申し上げると、公認会計士の転職は「どこに行くか」よりも「何を軸にするか」を決めることが最重要です。
年収・ワークライフバランス・キャリアの方向性で優先順位をつければ、自然と転職先は絞られてきます。
では早速まいりましょう!
1.公認会計士が転職を考える主な理由TOP5

会計士が転職を考えるのは、決してめずらしいことではありません。
むしろ、キャリアに悩みながら「このままでいいのだろうか?」と考えるのは極めて健全だと思います。
まずは、よくある転職動機を整理しておきましょう。
理由①:激務による疲弊
繁忙期の1〜5月は深夜残業が当たり前、休日出勤も珍しくないというのが監査法人の現実です。
私自身も繁忙期は終電帰りが続く時期があり、「体力的にいつまで続けられるか」という不安を感じたことがあります。
特にシニアスタッフ〜マネージャー手前のタイミングで、業務量が増えるわりに裁量が少ない「中間管理の苦しさ」を感じる方が多いようです。
理由②:年収の頭打ち感
監査法人のスタッフ〜シニアスタッフ帯の年収は、600〜900万円程度が一般的です。
この水準自体は悪くないのですが、マネージャー昇格までの道のりが長く、年収の伸びが緩やかに感じられる点がモヤモヤの原因になりがちです。
「資格を持っているのに、これが限界なの?」という感覚を持つ方は少なくないと思います。
理由③:やりがいの喪失
監査業務は、同じクライアントを何年も担当することが多く、業務の型が固まってくるとルーティン化しやすいという側面があります。
「もっと事業に関わりたい」「意思決定に近い仕事がしたい」という声は多く聞きます。
理由④:キャリアの方向性が見えない
パートナーになれるのはごく一部。
「自分はどこを目指せばいいのか」というキャリアの不透明さも、転職を考えるきっかけになります。
特に30代前後で「このまま監査一本でいくべきか」という岐路に立つ方が多い印象です。
理由⑤:環境や人間関係の問題
チーム・クライアントとの相性、上司のマネジメントスタイルなど、職場環境が合わないというケースもあります。
監査法人は組織が大きいぶん、異動で解決できることもありますが、限界を感じたら転職を選ぶのは合理的な判断だと思います。
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2.公認会計士の転職先一覧と特徴比較【ルート別に整理】

公認会計士が転職を考えるとき、大きく分けて5つのルートがあります。
それぞれの特徴をざっくりと整理しておきます。
ルート①:他の監査法人への移籍
同じ監査法人業界内での横移動です。
Big4からBig4、あるいはBig4から準大手・中堅監査法人への移行などがあります。
メリットは、業務内容が大きく変わらないため、転職リスクが低い点です。
担当業界を変えたい、チームの雰囲気を変えたいという方に向いています。
一方のデメリットは、業務がそれほど変わらず、根本的な環境変化が起きにくい点があるかなと思います。
ルート②:FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)
FASとは、M&Aや企業再編に関する財務アドバイザリー業務を行う部門・会社のことです。
Big4にはDeloitte、PwC、EY、KPMGそれぞれにFAS部門があり、FAS専業の独立系ファームもあります。
年収は監査部門より高めになりやすく、800万〜1,400万円程度が多いゾーンです。
デューデリジェンスやバリュエーションなど、監査経験が直接活かせる点が魅力です。
一方で、プロジェクト型業務のため、かなりの激務になるケースもあります。
ルート③:経営コンサルティングファーム
戦略コンサル(マッキンゼー、BCGなど)や総合コンサル(アクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティングなど)へのルートです。
会計士資格を持っていることで、財務・CFO領域の案件に関わりやすいというアドバンテージがあります。
ただし、純粋な戦略コンサルは会計士資格だけでは差別化が難しく、ケース面接などの対策が必要です。
ルート④:事業会社(CFO候補・経理財務)
上場企業や成長企業の経理・財務部門、CFO候補ポジションへの転職です。
「監査される側」に移るイメージで、事業に深く関わりたい方に人気のルートです。
ベンチャー・スタートアップでは、会計士資格を持つCFO候補を積極採用している企業が増えています。
年収幅は広く、400万〜1,500万円以上と企業によって大きく異なります。
ルート⑤:VC・PEファンド
ベンチャーキャピタル(VC)やプライベートエクイティ(PE)ファンドへのルートです。
会計士がFASでM&A経験を積んだ後に移るケースが多く、個人的には一番アツいポジションの一つではないかと考えています。
ただし求人数が少なく、競争も激しいため、難易度は高めです。
年収は1,000万〜2,000万円超も珍しくありませんが、ポジションによって大きく変わります。
転職先比較まとめ
公認会計士の転職先を比較してまとめると以下のとおりです。
| 転職先 | 年収目安 | WLB | 難易度 | 会計士資格の活かしやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 他監査法人 | 600〜1,000万 | 中 | 低 | ◎ |
| FAS | 800〜1,400万 | 中〜低 | 中 | ◎ |
| コンサル | 800〜1,600万 | 低〜中 | 高 | ○ |
| 事業会社CFO候補 | 400〜1,500万 | 高 | 中 | ◎ |
| VC・PEファンド | 1,000万〜 | 中 | 高 | ○ |
年収・WLBはあくまで目安であり、企業・ポジションによって大きく異なる点にご留意ください。
3.転職先別|年収相場とリアルな口コミ

「実際のところ、どのくらい年収が変わるの?」という疑問に答えるため、各ルートの年収感をより具体的に見ていきましょう。
FAS・M&Aアドバイザリーの年収
FASへの転職は、監査法人のシニアスタッフ〜マネージャー層に特に人気が高いルートです。
Big4のFAS部門では、スタッフ層で700〜900万円、マネージャー層で1,000〜1,300万円程度が一般的なラインといわれています。
独立系M&Aブティックでは、成果報酬型のため年収の振れ幅がさらに大きくなります。
会計士資格を持っていると、デューデリジェンス(財務DD)の経験が直接評価されやすく、年収交渉でも有利に働くことが多いです。
「同じ業務をやるなら報酬が高い方でやりたい」と考える方には、FASは検討に値するルートです。
事業会社(CFO候補)の年収
事業会社の年収は企業規模によって大きく異なります。
- 大手上場企業の経理財務部門:700〜1,000万円程度
- 中堅・中規模の上場企業:500〜800万円程度
- スタートアップのCFO候補:400〜800万円+ストックオプション
スタートアップのCFOポジションは、固定年収だけ見ると監査法人より低くなることもあるのですが、ストックオプションによるアップサイドを加味すると魅力的な選択肢になり得ます。
IPOを狙うフェーズの会社に入れれば、大きなリターンが得られる可能性があります。
コンサルティングファームの年収
戦略コンサルへの転職は、会計士の中でも地頭力やコミュニケーション力が問われるため、難易度は高めです。
ただし年収水準は高く、コンサル大手のマネージャー職では1,200〜1,600万円を超えることもあります。
総合コンサルであれば、財務・ERP・リスク領域の案件で会計士の専門性が活かしやすく、転職難易度はやや下がる印象です。
会計士資格は「年収交渉カード」になる
どの転職先であっても共通して言えるのは、公認会計士資格は採用市場で非常に高く評価されるということです。
財務情報の正確な読み取り、内部統制の理解、監査経験など、事業会社やFASの採用側が欲しいスキルが揃っています。
「会計士だから当然この年収をもらえる」というわけではありませんが、資格保有者は交渉のベース水準が高くなりやすいのが実感です。
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4,公認会計士転職の成功率を上げる3つのポイント

転職先の候補が絞れてきたら、次は「どう動くか」の戦略が重要です。
ここでは、会計士転職の成功率を上げるために押さえておきたい3点を解説します。
ポイント①:転職活動は繁忙期を避けた時期に動く
監査法人の繁忙期は1〜5月です。
この時期に転職活動を本格化させると、面接の日程調整が難しくなるうえ、疲弊した状態での転職活動になりやすいです。
転職活動のベストシーズンは6〜11月です。
企業側の採用も活発になる時期であり、求人の選択肢も広がります。
「今すぐ転職するつもりはないけど情報収集したい」という場合でも、繁忙期前にエージェントに登録しておくと、繁忙期明けにすぐ動き出せます。
ポイント②:職務経歴書で「担当クライアントの規模感」を具体的に書く
会計士の職務経歴書でよくある失敗は、「監査業務に従事しました」という抽象的な記述で終わってしまうことです。
採用側は、
- 担当していたクライアントの規模(売上規模・上場/非上場・業種)
- チームでの役割(担当範囲・リーダーとしての経験)
- 専門的に関わった領域(特定の会計基準・内部統制・開示対応など)
を知りたがっています。
「上場企業(売上500億規模)の法定監査を担当し、在庫・固定資産セクションのシニアとしてチームをまとめた」のように、具体的な数字と役割を組み合わせた記述が刺さります。
ポイント③:エージェントは複数社を併用する
転職エージェントは、1社だけに絞るよりも2〜3社を並行して使うことを強くお勧めします。
理由は明快で、エージェントごとに保有する求人が異なるからです。
会計士特化型のエージェントは専門性の高い求人に強く、総合型のエージェントは幅広い業界の非公開求人を持っています。
複数社に登録することで、より多くの選択肢の中から自分に合ったポジションを探せます。
また、複数社からの求人を比較することで、自分の市場価値を客観的に把握することもできます。
私自身も転職を検討した際には、複数エージェントに登録して各社の意見を聞き比べるようにしていました。
5.公認会計士転職に強いエージェント3社ランキング

ここでは、会計士の転職活動に役立つエージェントを3つご紹介します。
特化型と総合型を組み合わせて使うのが理想的です。
1位:ヒュープロ|会計士・税理士転職に最も特化したエージェント
ヒュープロは、会計士・税理士・経理財務のプロ向けに特化した転職エージェントです。
会計業界に特化しているぶん、求人の質・量ともに他のエージェントと一線を画しています。
担当アドバイザー自身が会計業界の知識を持っていることが多く、
- 「監査法人からFASに行きたい」
- 「スタートアップのCFOポジションを探している」
といった会計士ならではの相談に対しても、具体的なアドバイスをもらいやすいです。
非公開求人の保有数も多く、まず最初に登録しておきたいエージェントです。
ヒュープロ / 会計士・税理士特化。非公開求人多数、キャリア相談から対応可能。
2位:ジャスネットキャリア|会計・財務・税務専門で信頼性の高いエージェント
ジャスネットキャリアは、会計・財務・税務分野に絞った転職支援に強みを持つエージェントです。
長年にわたって会計プロフェッショナルの転職を支援してきた実績があり、業界特有の事情を熟知したアドバイザーが揃っています。
- 会計士資格を軸に年収交渉を有利に進めたい方
- 事業会社の財務ポジションに移りたい方
には特に相性が良いと思います。
ジャスネットキャリア / 会計・財務専門。業界知識の深いアドバイザーが対応し、年収交渉もサポート。
3位:アクシスコンサルティング|FAS・コンサル方面への転職を考える会計士向け
アクシスコンサルティングは、コンサルティング業界への転職支援に強みを持つエージェントです。
会計士からFAS・経営コンサル・ITコンサルへの転職を検討している方には、特に相性の良いエージェントです。
コンサルファームの選考傾向や面接対策に詳しいアドバイザーがいるため、「会計士からコンサルに行けるのか不安」という方も相談しやすいと思います。
【AXIS Agent(アクシスコンサルティング)】 / コンサル・FAS方面への転職に強み。各社の選考対策にも対応。
6.監査法人から転職するベストタイミングはいつ?

「転職したいとは思っているけど、いつ動けばいいのかわからない」という方も多いと思います。
転職のタイミングについて、少し整理しておきましょう。
繁忙期(1〜5月)は転職活動の本格化を避ける
監査法人の繁忙期に本格的な転職活動を行うのは、体力的にも精神的にも消耗します。
面接の日程を詰めるのも難しく、万全の状態で面接に臨めないリスクもあります。
繁忙期中にできることは、情報収集とエージェント登録です。
求人を眺めておくだけでも、転職市場の感覚がつかめます。
「今すぐ転職する気はないけれど、半年後に動きたい」という場合でも、今から情報を仕入れておくことは決してムダではありません。
転職活動の本番は6〜11月
3月末に繁忙期が明けたタイミングで動き出すのが、会計士の転職活動として一番スムーズなパターンです。
企業側の採用意欲も高く、求人の選択肢が広がります。
シニアスタッフ2〜3年目やマネージャー手前のタイミングが、転職市場での評価が最も高い時期の一つです。
まだ早いかな...と思っているうちに求人が埋まってしまうこともあります。
「求人を見るだけ」でも価値がある
転職を決意していなくても、エージェントに登録して求人情報を把握しておくこと自体に価値があります。
- 自分の市場価値を知ること
- どんなポジションが世の中に存在するのかを知ること
だけでも、将来のキャリア設計にかなり役立ちます。
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7.まとめ|会計士転職は情報格差が命取り

最後に、この記事のポイントを整理しておきます。
公認会計士の主な転職先5ルートは、他監査法人・FAS・コンサル・事業会社CFO候補・VC/PEです。
それぞれ年収感・ワークライフバランス・難易度が異なるため、自分が何を重視するかで選ぶべきルートが変わってきます。
転職成功のカギは、
- 繁忙期を避けた転職活動のタイミング
- 具体的な数字と役割を盛り込んだ職務経歴書
- 複数エージェントの並行活用
の3点です。
そして、会計士転職において一番もったいないのは「情報が少ないまま動き出すこと」です。
転職エージェントに登録するだけで見られる非公開求人は、一般公開されている求人よりも条件が良いものが多く含まれています。
自分の市場価値を過小評価したまま、本来よりも低い条件で転職してしまうケースも残念ながら存在します。
私自身も、複数のエージェントに相談する中で「自分にはこんな選択肢もあるのか!」と気づかされた経験があります。
押し売りのような対応は一切なく、真剣に相談に乗ってもらえたことが印象的でした。
会計士資格は、あなたが思っている以上に転職市場で強力な武器です。
ぜひその武器を最大限に活かした転職活動をしてほしいと思っています。
まずは情報収集だけでも、一歩を踏み出してみてください!
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