- USCPA(米国公認会計士)の洋書問題集はどれを使って勉強すればいいか分からない
- 洋書問題のなかでも有名なWiley・Beckerについて知りたい
このようなお悩みにお答えします。
私もアビタス受験時代、4科目すべて1回目の受験でFailしてしまった苦い経験があるので、結果の出ない方の「洋書で問題演習量を増やしたい」という思いも良く分かります。
そこで、今回の記事では「どの洋書を使えば受験生の皆さんの合格につながるのか?」が分かるよう解説していきますので、興味のある方はぜひ読み進めてみてください!
USCPA(米国公認会計士)受験生が洋書を使うパターン2選
まずは、USCPA受験生が洋書を使うパターンを2つに分けてご紹介します。
①複数回不合格の各予備校受講生
洋書を使用する方としては、予備校に通いながらも複数回にわたり不合格となってしまった方が考えられるかと思います。
各予備校4校ごとに、どの洋書の購入が選択肢としてアリなのかを解説いたします。(予備校4校の比較記事も書いています)
アビタスの場合
アビタスでは以下のとおり、完全オリジナルのテキスト&問題集を作成しています。
アビタス公式HPより
私の場合は基本的にアビタスの教材のみで全科目合格できたので、アビタスのテキストや問題のクオリティには信頼を置いています。
一方、何回か受験するものの結果を出せていないアビタス受講生もいらっしゃるので、「もっと実力をつけて色んなパターンの問題に対応したい」という方であれば洋書も選択肢のひとつになるかと思います。
またアビタスの問題数は3,000問超と他予備校に比べてやや少なめなので、その点を気にする方もいるかもしれません。
ただ実際にBig4監査法人に入所されているUSCPA合格者の方に話を聞いてみると、アビタスの問題演習のみを徹底してやりこむことで合格されている方が多いと感じました。
TAC(Becker)の場合
TACでは、オリジナル問題集に加えて海外のBeckerの問題演習テストも利用できます。
Beckerの演習ソフトでは、MC・TBS・WC合わせて7,000問を提供しています。
TAC公式HPより
Beckerに関しては、私がアビタス受講生で1回目のFAR受験で不合格となったとき、FARのみFree TrialでMC・TBS問題を解いたことがあります。
Beckerの問題についてはクオリティが非常に高い印象を受けましたし、提携先のTAC受講生であればBeckerをやりこめば合格できると思います。
正直、Beckerを使えるのであればそのままBeckerをやるのが一番だと思います。(Beckerのクオリティが高い理由は後述します)
しかしそれでも「どうしてももっと問題を解きたい」という方は、WileyやRogerといった他の洋書問題も視野に入れてもいいかもしれません。
資格の大原(Roger)の場合
資格の大原では、海外のRogerが提供しているRoger CPA ReviewのQBankが利用でき、問題数もTACと同程度の7,000問とかなり充実しています。
資格の大原パンフレットより
ただし、これも受験生によっては相性の良しあしがあるかもしれませんので、必要であればWiley, Beckerを試してみる価値があります。
プロアクティブ(Wiley&BISK)の場合
プロアクティブでは、海外のWiley・BISKの問題がeラーニングで解けるようになっています。(BISKについては2015年をもってUSCPA受験プログラムを終了しているとのことです)
個人的には、プロアクティブの受講生はWileyの問題を解けるのは非常に魅力的だと思う反面、2015年にサービスを終了したBISKの問題がのこっているならば、古い練習問題が使いまわされているリスクがあるかもしれません。
なので、Wiley&BISKの問題だけで不安のある方は、Becker, Rogerなどを使用するといった選択肢もあると思います。
②独学の受験生
独学の方であれば、アビタスの問題集または各予備校が提携している海外の洋書の問題集を購入するのが必須と言えます。
これらの問題集を使用する場合、本プログラムに申し込まない限り入手できないため、オークションサイトなどで入手することになるかと思います。
しかし、各予備校は出題傾向にあわせてテキスト・問題集の改訂を行っているため、独学の方は最新バージョンの問題集を入手する必要があります。
USCPAの洋書教材は4種類
これまでのUSCPA受験生が洋書を使うパターンを踏まえて、各海外予備校(洋書)の一覧表を作成しました。
洋書 | 1科目あたり費用 | 形式 | アクセス期間 | 提携先 | 問題数 |
Wiley(ワイリー) | Amazon(1年間):18,000円前後 直接申込(1年間):150$ (21,000円) |
オンライン | 12ヶ月 | プロアクティブ | 12,000問 |
Becker(ベッカー) | TAC経由:58,000円 直接申込:849$ (120,000円) |
オンライン | 24ヶ月 | TAC | 7,000問 |
Roger(ロジャー) | 6ヶ月:399$ (56,000円) 無制限:499$ (70,000円) |
オンライン | 6ヶ月or無制限 | 資格の大原 | 7,000問 |
Surgent(サージェント) | 599$ (84,000円) | オンライン | 無制限 | ー | 7,500問超 |
Gleim(グレイム) | 250$ (35,000円) | オンライン 紙テキストオプション有 |
18ヶ月 | ー | 8,000問超 |
このうち、Roger・Surgent・Gleimの3社については以下のとおり分析してみました。
- Roger:資格の大原と提携しているものの、アクセス期間(6ヶ月)が非常に短い
- Surgent:アクセス期間が無制限なのは魅力だがやや高い(84,000円)
- Gleim:かなり安い価格設定(35,000円)だが、問題数(8,000問)はWileyほど多くはない
そこで、日本人受験生におすすめの洋書として、安くて問題数の多いWileyとクオリティの高い問題が多くアクセス期間もそそこ長いBeckerの2種類に絞って解説していきます。
おすすめ第1位:Wiley(プロアクティブ受講生以外)
まず、コスパを重視して「これ以上あまり教材にお金を使いたくない」という方であればWileyがおすすめです。(プロアクティブの受講生の方は既にプログラムに含まれていると思います)
Wileyの公式HPでは、Becker・Roger・Surgent・Gleimといったライバル予備校と比較したときのWileyの長所について、以下のように述べています。(かなり強気です)
- USCPAホルダーの大学教授がそろっている
- インストラクターに質問すると、24時間以内に回答が返ってくる
- 合格するまでアクセス権を保証(Premiumコースのみ、Test Bankを除く)
- 多くのCPA試験の練習問題を提供
- 難しいトピックの補足動画が充実
- 30~45分の短時間レッスン
このように、海外USCPA予備校の中でもWileyはかなりの知名度と信頼性を誇っていると解釈できます。
Wiley教材の入手方法
Wiley Test Bankの入手方法は以下2種類ありますが、社会人の場合はAmazonからの購入が安く、学生の場合は為替次第ですがWiley公式サイトからの購入が安いです。
Wileyは他の洋書に比べてはるかに安く、1科目につき2,000問を超えるので、追加や独学で学習される方にとって十分な演習量を確保できると思います。
①Amazonで購入
Amazonであれば1科目18,000円前後でWiley CPA Test Bankへの1年間のアクセス権を購入できます。
楽天ブックスでも販売されていますが、1科目20,000円以上するので以下リンクのAmazonからの購入がオトクです。また、Yahoo!(ヤフー)ショッピングでは販売されていません。
AmazonのBecker購入ページ
- FAR:Wiley's CPA Jan 2022 Test Bank: Financial Accounting and Reporting (1-year access)
- AUD:Wiley's CPA Jan 2022 Test Bank: Auditing and Attestation (1-year access)
- BEC:Wiley's CPA Jan 2022 Test Bank: Business Environment and Concepts (1-year access)
- REG:Wiley's CPA Jan 2022 Test Bank: Regulation (1-year access)
②Wiley公式HPで購入
Wileyの公式HPでは、以下のとおり1科目あたり150$(21,000円)にて購入可能です。
また学生であれば、学生証等をアップロードすることで1科目あたり20%オフの120$(17,000円)で購入できます。
専門学校・短大・大学生の方で洋書での学習を進めたい方は、AmazonよりもWiley公式HPから申し込んだ方がお得だと思います。
おすすめ第2位:Becker(TAC受講生以外)
また、もう少しお金に余裕のある受験生であればBeckerも選択肢としてアリだと思います。(TACの受講生の方は既にプログラムに含まれていると思います)
Beckerの公式HPでは、Beckerの長所について以下のように述べています。
- 米国公認会計士協会(AICPA)と定期的に協議し、試験の変更点に関するガイダンスを得ている
- 定期的に教材を更新しており、最新の試験の出題内容に対応した準備ができる
Wileyの好戦的な書きっぷりと比較すると、Beckerの強みに関してはかなり余裕をもって書かれている印象を受けます。
私見ですが、Beckerがどっしりと構えていられる最大の理由は、AICPAと定期的にコミュニケーションを取れるだけの強いネットワークがあるからと推察できます。
このように、海外USCPA予備校の中でもBeckerは本試験に極めて近い、質の高い演習問題を用意していると考えられます。
Becker教材の入手方法
Beckerの問題集(演習ソフト)の入手方法は以下2種類ありますが、実は、Becker Onlineから直接申し込むより、Beckerと提携しているTACの単科講座から申し込んだ方が安いです。
①TACで購入
TAC経由の場合、以下のとおり1科目につき58,000円(2年間有効)で購入可能です。
TAC公式HPより
TACの割引制度なども併用すれば、もっと安く購入できるのではないかと思います。
ただし、割引適用で購入する場合はオンライン上ではなく各TACの窓口で手続きを進める必要があるとのことです。詳細については以下リンクのパンフレットにも記載されていますので、興味のある方は無料&5分で登録されてみてください。
おすすめのUSCPA予備校
資格の学校TAC<USCPA(米国公認会計士)>各種コース開講:Becker演習ソフトを安い価格で購入&学習したい方向け
②Becker公式HPで購入
Beckerの公式HPでは、以下のとおり1科目あたり849ドル(約12万円)です。こちらもアクセス期間24ヶ月(2年間)となっています。
このように、Becker演習テストについては、TACの方が公式HPよりも6万円ほど安く購入できます。
もしかすると、円安のあおりをうけて、TACがBeckerに対して余計多くのロイヤリティを支払っているのかもしれませんね…。(本件についてはTACの「5年間継続再受講制度」の記事でも解説しています)
まとめ:個人的にはWileyの追加購入がおすすめ
以上のとおり、おすすめの洋書問題集についてご紹介してきました。
WileyとBeckerのいずれも優れた問題集だと思いますが、個人的にはコスパを重視してWileyを選ばれても良いのではと考えています。
USCPAはコストも時間もそれなりにかかる試験なので、是非今回の記事を活用してUSCPA試験にチャレンジいただければと思います。