USCPA(米国公認会計士)試験にチャレンジしようか悩んでいるが、費用がいくらかかるか分からない
このようなお悩みにお答えするため、今回の記事では私の実際にかかったUSCPA試験の費用について、以下3ステップに分けて解説していきます。
- 予備校費用
- 試験費用
- その他費用
私自身も、全科目合格した今でこそ「大体このくらいかかったな」と冷静に振り返ることができていると感じます。
これから挑戦する方にも、どの程度のお金と時間の投資をする必要があるのか分かるような内容となっていますので、ぜひ読み進めてみてください!
私のUSCPA(米国公認会計士)合格までの費用合計:148万円
まず簡単に、私がUSCPA合格までにかかった費用は合計148万円です。
内訳は以下のとおりです。また、受験回数は全部で8回(4科目すべて1回目不合格・2回目合格)です。
予備校申込:467,554円
2020年上旬:467,554円 アビタス申込(割引や教育訓練給付金考慮後)
学歴評価:27,484円
英文成績・卒業証明書発行費用:400円
英文成績・卒業証明書郵送費用(EMS):2,000円
学歴評価費用:25,084円
4科目受験料:585,260円
FAR受験料:143,227円
AUD受験料:143,227円
BEC受験料:148,488円
REG受験料:150,318円
その他:約400,000円
テキスト加工代:約10,000円(2,500円/1冊×4科目分)
通信代:約130,000円(8,000円/1ヶ月×16ヶ月分)
カフェ代:約200,000円(400円/1杯×30日×16ヶ月分)
PC・マウス代:約60,000円(Surface Go 2・Elecom EX-Gワイヤレスマウス)
STEP①:予備校費用
ここから、私の実費をベースに、3ステップに分けて費用についてご紹介します。STEP①は予備校の費用です。
予備校費用については講義代+単位取得費用(受験資格をもらうため)も考えることになります。
予備校の費用の安い順ランキング
上記4校の講義代+会計15単位で考えた場合、予備校代にかかるトータルコストは圧倒的にCPA会計学院がお得です。
会計15単位含む予備校料金ランキング
- CPA会計学院:396,000円
- TAC:515,000円(入会金10,000円+講座代400,000円+単位追加取得代7,000円×15単位)
- アビタス:627,000円(入会金11,000円+講座代616,000円)
1番目に安いのはCPA会計学院の396,000円。
USCPA予備校の中では破格の安さです。
単位取得料もこの受講料金に入っているので、安心してUSCPA試験にトライできると思います。
2番目のTACについては515,000円。
プログラムの中に会計・ビジネス単位が含まれていないのに要注意です。
3番目のアビタスは一番安いライトパックでも627,000円と他校より高め。
予備校費用+単位取得費用の2つの観点で見れば、CPA会計学院が最も安いです。
トータルで考えるとCPA会計学院がおすすめ
料金以外のポイントも踏まえて考慮すると、以下の理由からCPA会計学院またはアビタスがおすすめです。(実際にアビタスで受講してみて感じたことは別記事でも解説しています)
- アカウント有効期間が比較的長いなのでスケジュールを組み立てやすい
- いずれの予備校も日本語テキストが完備されているのがありがたい
- 単位取得から合格後までのサポートが充実している
CPA・アビタスの詳細が知りたい方は、以下リンクより無料でパンフレットや説明会の申し込みができますので、気になる方はチェックしてみてください。
STEP②:試験費用
続いてSTEP②は、予備校に申し込んだ後の受験料の支払いです。
USCPAの受験料は大きく分けて5種類に分かれますので、こちらも順番に解説していきます。
①初回出願手数料(First-Time Application)
出願州によって異なり、約$150~$250かかります。
NASBAのサイトの各州をクリックすることで、州ごとの手数料が分かります。
留意すべきなのが、初回出願時に発行されるNTS(Notice to Schedule:受験票)の有効期限が発行後6ヶ月である点です。
すなわち、「出願後(NTS発効後)6ヶ月以内に受験しなければならない」ということになります。
②再出願手数料(Re-Exam Application)
再出願する場合、手数料として$90.00かかります。
再出願は以下の2パターンがあります。(科目はあくまで例です)
- FAR受験1回目で不合格となり、再度FAR受験2回目にチャレンジする場合
- 初回出願時はFARを登録していたが、FAR合格後にAUDを再出願する場合
ちなみに私の場合は、間髪入れずにFARとAUDを登録しましたが、最初のFARの学習に時間がかかりすぎてしまいました。
その後のAUDの学習時間もあまり取れず、結果的に2科目とも不合格となりました。
なので個人的な意見ですが、再出願時は1科目ずつ丁寧に取り組むのがベストです。
結果的にスケジュールの変更がラクになり、落ち着いて学習をすすめることができます。
③受験料(Exam Fee)
アメリカ国内・ハワイ・カナダ受験か海外受験かにかかわらず、1科目あたり受験料$238.15かかります。
④海外受験料(International Fee)
アメリカ国内・ハワイ・カナダで受験しない場合、1科目あたり海外受験料$371.55かかります。
なおグアム受験の場合、1科目あたり$140.00 (グアム在住者は$70.00)かかります。
日本人あるいは日本在住の方であれば、日本会場(東京の御茶ノ水ソラシティか大阪の中津センタービル)で受験される方が多いと思います。
当該受験料を支払うことでUSCPA試験が受験できる国は以下のとおりです。
バーレーン
ブラジル
カナダ
エジプト
イギリス
ドイツ
インド
アイルランド
イスラエル
日本
ヨルダン
クウェート
レバノン
ネパール
大韓民国
サウジアラビア
スコットランド
アラブ首長国連邦
⑤変更手数料
日本会場の予約後、NTS有効期限内でUSCPA試験の受験スケジュールを変更・キャンセルする場合、以下のとおり手数料がかかります。
- 試験が30日より先:無料
- 試験6~29日以内:35ドル
- 試験1~5日以内:82.25ドル
- 試験1日(24時間)以内:受験費用全額(返金不可)
私の場合、1度だけ35ドルを支払い、試験日程を1ヶ月ほど延期したことがあります。
なるべく一度申し込んだ日程は動かさないのがベストですが、仕事や家庭との両立を考慮して、難しそうであれば日程変更なども戦略的に考えてみてください。
私の場合、これらの①~⑤の費用をあわせて、累計8回の受験で585,260円かかりました。
こちらについても、私が受験した当時で1ドル110円前後で推移していたので、引き続き円安の場合さらに負担が増える点に注意が必要です。
STEP③:その他費用
最後のステップとして、試験勉強を継続する過程でかかったコストをご紹介します。
「その他の費用」としていますが、16ヶ月の試験期間で約400,000円かかりました。
テキスト加工代:約10,000円(2,500円/1冊×4科目分)
アビタスの場合、テキストだけで1科目あたり2~4冊あり、持ち歩きするにはつらい重さです。
しかし「すべてを網羅的に見直したい!」となった場合、いずれかのテキストを持ってき忘れていたら、それはそれでストレスになります。
さらに、私自身は電子テキストでの学習では頭に入らないタイプで、圧倒的に紙テキスト派という状況もあり、勉強の進め方で非常に悩みました。
そこで
- 荷物を軽くできる
- 全範囲が網羅されたテキストを持ち運べる
- 電子テキストでなく紙テキストでいつでも勉強できる
といった自分の欲求をすべて満たせないか?ということでたどり着いたのが、「テキストを4in1でくるみ製本する」という方法でした。
アビタスのテキストの仕様は以下のとおりです。
- B5サイズ
- 文字は基本的に黒色、図解などでは青色
- 文字はそこそこの大きさ
そこで私は、
- B5サイズ→A4サイズのテキストで4in1でコピーしなおし
- 文字は基本的に黒色、図解などでは青色→すべて白黒コピー
- 文字はそこそこの大きさ→4in1のレベルで文字が小さくなるのはぎりぎり許容範囲
といった設定で、業者に製本を依頼しました。
ちなみに大きい声では言えませんが、業務の一環という名目で、監査法人事務所でタダ同然で印刷しました。
とはいえ実際は、スタッフとして監査している今でも、アビタスのAUDテキストに立ち返ったりしていますので、ある意味本当に業務の一環となっています。
そのため印刷代は0円で、製本代のみ1科目あたり約2,500円かかりました。
結果的に、4科目すべて製本して正解でした。
- 文字や板書が小さくなる
- 文字がつぶれる
- 色ペンの色が白黒なので区別がつかなくなる
といったデメリットもありましたが、
- 文字は小さくとも読めた
- 文字はある程度つぶれても内容を問題なく覚えられた
- 本当に大事なところのみ再度マーカーや色ペンで色付けできた
- 全範囲のテキストの持ち運びが圧倒的にラクになった
などのメリットの方が大きいと実感できました。
かなり好みが分かれるかもしれませんが、「テキストを一度分解したうえで、複数ページ印刷して製本する」といった方法に抵抗のない方は試してみてください。
ちなみに私の場合、アビタスのテキスト裁断については秋葉原にある自炊の森で1冊200円ほどで裁断してもらいました。
また、くるみ製本については当初kinko's(キンコーズ)に依頼(2,000円~3,000円)していましたが、途中から価格(1冊数百円)の安いACCEA(アクセア)の方に依頼するようにしました。
このような業者があれば、ご自宅近くの店舗で製本依頼するのもオススメです。
通信代:約130,000円(8,000円/1ヶ月×16ヶ月分)
アビタスで勉強する以上、通信費用とは切っても切り離せない関係にあるといえます。
USCPA試験がCBT(Computer Based Testing)というPC画面に張り付きながら受験する形式のため、学習時もアビタスのアプリやシステムをフル活用することになります。
私の場合、
- 自宅Wi-Fi:約4,000円/月
- ワイモバイル:約4,000円/月
がそれぞれコストとしてかかりました。
昨今においては通信費をケチる方はそうそういないかと思いますが、ある程度の長期戦を見越して、より自分に合った通信環境を整えるのがベターです。
ちなみに私の場合は、
au→docomo→OCN→ワイモバイル→楽天モバイル→ahamo→ワイモバイル
と、かなりキャリアを行ったり来たりしていますが、
- 通信障害が起きづらい
- ソフトバンクと同レベルの回線なので、他の格安キャリアよりサクサク動く
- 格安キャリアほどは安くないが、3大キャリアより安い
といった点でワイモバイルに落ち着きました。
カフェ代:約200,000円(400円/1杯×30日×16ヶ月分)
勉強スタイルは受験生によって様々だと思いますが、私の場合は自宅では勉強できず、ほぼ毎日近所のカフェや無料の勉強場所に立ち寄って勉強していました。
ちなみに勉強時間ですが、開始~合格までの16ヶ月間で
- 平日の1日あたり平均勉強時間:1~2時間
- 土日の1日あたり平均勉強時間:5~6時間
といったペースで進めました。
自分にとって学習しやすい環境を整えるのは非常に大切だと思いますので、カフェや自宅といった環境への投資コストは惜しまなくてもいいかなと思います。
PC・マウス代:約60,000円(Surface・Elecom EX-Gワイヤレスマウス)
MCについてはスマホアプリ、TBSについてはPCで進めるのを基本の学習スタイルとしていました。
受験生によっては紙の問題集で完結する方もいらっしゃるようですが、私は上述のとおり、USCPA試験がCBT形式なのにあわせてPCで問題を解くようにしました。
なので、PCについてはコンパクトで軽量なSurfaceシリーズを携帯していました。
またマウスについても、特にTBSを解く際にコードが煩わしいのが嫌だったので、ワイヤレスのものを購入することでストレスフリーな学習環境を維持できました。
費用については、PC・マウスの2点で6万円前後でした。
USCPA試験の独学はコスパが悪いのでオススメしない!
一方、「どうしても独学がいい!」という方も一定数いらっしゃると思いますが、以下2点のリスクから、個人的にはおすすめしないです。
- 受験資格を満たすのに多大なエネルギーを費やす
- 情報のアップデートが追い付かない
独学に関する記事でもご紹介していますが、私が試算したところ、もろもろ含めた費用として125万円必要になります。
予備校に申し込んだ場合と比較しても25万円しかお得にならず、しかも結局は追加コストがかかるリスクもあります。
独学が100%無理というわけではないかもしれませんが、結局それなりのコストがかかってしまうことを踏まえると予備校に申し込むのが得策だと思います。
USCPA試験のライセンス取得費用は約13万円
- 米国における監査報告書へのサイナーになる予定がない
- 維持費用が毎年かかる
といった理由から、ライセンスを取得していない方もいます。(監査法人には、このような方がちらほらいます)
チームによっては、「当期チームにはUSCPAホルダーがいるため、より専門スキルを活かして監査の質が高まります」といった謳い文句で、クライアントからの報酬をアップするため、ライセンス取得の圧力があるかもしれません。
ただ、自分の意思で判断すべき事かと思いますので、
- 社会的ステータスのためライセンス取得したい
- 名刺に「USCPA」と記載したい
- 法人からのライセンス取得の圧力が強い
といった方であればライセンス申請されてもよいかと思います。
ちなみに、ドル換算でのワシントン州ライセンス申請にかかる費用は以下のとおりです。
英文成績・卒業証明書発行費用:400円
英文成績・卒業証明書郵送費用(EMS):3,900円
実務経験証明書へのサイン依頼:11,000円(アビタスのサポート使用時)
英文職務経歴書:0円
学歴評価費用:120ドル
トランスクリプト発行:10.5ドル
合格実績トランスファー(アラスカ州→ワシントン州):25ドル
Ethics(倫理)試験費用:255ドル
ライセンス取得:330ドル
合計:約13万円(15,300円+740.5ドル)
まとめ:USCPAの費用対効果は絶大。1年以内に回収可能
以上のとおり、USCPA試験の費用3ステップについて解説してきました。
USCPA試験には、勉強開始から全科目合格までに、少なく見積もっても合計120万円以上かかります。
知人から聞いたところでは、昨今の受験料の値上げ、円安、自分の受験回数によっては、200万円以上かかっている方もいるようです。
時間と労力のかかる試験ではありますが、それでもなお合格してよかったと思えるのは、今後の人生の選択肢を圧倒的に増やせた実感があるからです。
私の場合は、全科目後に監査法人内で労働契約を切り替えるという形をとりましたが、それでも年収200万円以上アップし、トータル費用148万円も1年以内に回収することができました。
Big4監査法人やBig4 FASで丁寧に仕事に取り組んでいけば、年収1,000万円台も普通に超える可能性がある資格です。
ぜひ今回の記事が、USCPA試験の勉強を始めようか悩んでいる方のお役に立てば嬉しいです。