「会計検査院とは、具体的にどのような役割を持つのか?」
そんな疑問を持つあなたへ。
会計検査院は、私たちの税金が適切に使われているかを監視する重要な組織です。
しかし、その実態や業務内容、さらには一般市民との関わりまで、詳しく知る人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、会計検査院の基本的な役割から具体的な業務内容、そして今後の展望と課題までをわかりやすく解説します。
会計検査院の深い世界へ一緒に足を踏み入れてみましょう!
会計検査院の基本的な役割
まずは会計検査院の基本的な役割について詳しく解説します。
① 会計検査院の定義と概要
会計検査院は、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する憲法上の機関としての位置付けを持っています。
この国のお金が適切に使われているかどうかをチェックする役割を担っており、その業務は非常に重要です。
公式HPの「検査報告の概要」において、会計検査院は令和4年(2022年)における税金の無駄遣い金額は580億円にまでのぼるといった指摘を行なっています。
各省庁を監督する立派な役割を担っているのですね...!!
② 憲法上の位置付けと特徴
会計検査院は、国会や裁判所に属さず、内閣からも独立した機関として存在します。
この独立性が保証されていることで、他の機関からの制約を受けずに、公正かつ厳正に業務を遂行することができます。
③ 国の収入支出の決算における役割
さらに会計検査院は、国の収入支出の決算も確認する役割を持っています。
具体的には、検査の結果を基に検査報告を作成し、これを内閣に送付することで、国の財政状況を明確にする業務を行っています。
会計検査院の具体的な業務内容
会計検査院の具体的な業務内容について詳しく解説します。
① 会計経理の監督とその重要性
会計検査院は、各省庁の会計経理の監督を行っています。
国民の大切な税金が適切に使われたかをチェックするため、この監督業務は非常に重要です。
例えば
- 公共事業の予算が適切に使われているか
- 不正な取引がないか
などを確認します。
② 決算の確認と税金の適切な使用のチェック
国の決算を確認する際、会計検査院は税金が適切に使用されているかについても厳しくチェックします。
これにより、税金の無駄遣いや不正使用を防ぐことができます。
③ 不正行為や不適正な会計経理の対応
会計に関する不正行為や不適正な会計経理を発見した場合、会計検査院はこれを指摘し、是正を求めることができます。
このような対応により、公共の資金が適切に管理されることを保証しています。
会計検査院の検査のチェックポイント
次に、会計検査院の検査のチェックポイントについても見てみます。
① 正確性、合規性、経済性、効率性、有効性
会計検査院は、以下の5つの観点から検査を行なっています。
- 正確性:決算の表示が予算執行など財務の状況を正確に表現しているか
- 合規性:会計経理が予算や法令等に従って適正に処理されているか
- 経済性:事務・事業の遂行、予算の執行がより少ない費用で実施できないか
- 効率性:同じ費用でより大きな成果が得られないか、費用との対比で最大限の成果を得ているか
- 有効性:事務・事業の遂行及び予算の執行の結果が、所期の目的を達成、または効果を上げているか
私の所属するBig4をはじめとする監査法人が、民間の法人に対して行う会計監査業務の観点とはまた違っていて面白いです。
正確性などは民間の監査業務においても求められますが、網羅性や実在性、権利と義務の帰属といったアサーション(経営者の主張)ではないので、会計検査院に所属すればまた民間と違った知見が得られそうです。
Big4監査法人での業務については以下の記事で解説しています。
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② 検査の強化の変遷
時代とともに、会計のルールや法律が変わることがあります。
そのため、会計検査院は特に効率性の観点からの検査も進化させてきました。
公式HPで見解も示されているとおり、「その事業が本当に効果のあるものだったのか」に重点を当てて検査をしているのだそう。
税金の使い道が、然るべきところで効果的に使われているかをチェックするのはやりがいを感じられそうです...!!
会計検査院の組織構造
会計検査院の組織構造について詳しく解説します。
① 検査官会議と事務総局の役割
会計検査院の主要な組織として、検査官会議と事務総局があります。
検査官会議は、検査の方針や計画を決定する役割を持ち、事務総局は、これを実施する役割を担っています。
② 意思決定機関と検査実施機関の関係性
検査官会議と事務総局は、それぞれ意思決定機関と検査実施機関としての役割を持っています。
この二つの組織が連携して、効果的な検査を行うことが求められています。
会計検査院で働く方法
最後に、会計検査院で働く方法について解説します。
① 国家公務員総合職・一般職ともに選考ルートあり
会計検査院で働くためのルートとしては、
- 国家公務員試験に合格すること
- 官庁訪問を行うこと
の2点を必須として、そこから
- 総合職としてのルート
- 一般職としてのルート
の2つのルートに分かれます。
採用人数はそれぞれ以下のとおりです。
採用人数の動向としては
- 総合職:毎年5名程度
- 一般職(大卒):毎年30名程度
- 一般職(高卒):毎年3名程度
ということが読み取れます。
狭き門ですが、目指す価値の高い仕事だと思います!
② 中途採用でのルートもある
また、最近では中途採用ルートもあります。
Youtubeにおいても、国家公務員経験者採用WEB説明会(内閣人事局・人事院主催)の動画がありますので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか、
ちなみに会計検査院の紹介パートは、40分くらいのところから見ることができます。
まとめ|興味が湧いたら会計検査院に飛び込むのもあり
会計検査院は、私たちの税金が正しく使われているかをチェックする組織です。
会計検査院で働くチャンスを得られれば、国の支出管理という、会計業界の中でも普通は経験できないような貴重な機会を得られると思います。
これからの進路に悩まれている高校生や大学生だけでなく、すでに一定程度の実務経験のある方も、飛び込んでみる価値があるのではないでしょうか。
この記事を通じて、会計検査院の重要性の理解が深まれば嬉しいです。
なお、私は全くの異業種から会計業界未経験で民間の大手監査法人(いわゆるBig4)に転職した経験があります(働きながらUSCPA(米国公認会計士)という資格試験に合格することができました)。
Big4監査法人やUSCPAに興味のある方は、以下の記事もご覧ください。
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