- USCPA(米国公認会計士)合格前のBig4監査法人アシスタントの採用面接フローはどのようになっているのか?
- 監査法人の採用面接では何が聞かれるのか?
- 内定に必要なことは何か?
このようなお悩みにお答えします。
私自身、
- アラサー
- 前職では財務・経理未経験
- 英語TOEIC700点台
- 簿記2級合格
といったスペックで、USCPA合格前に監査法人のアシスタントとして転職することができました。
合格後はスタッフに昇格し、現在は監査チームの主要メンバーとして働いています。
今回の記事では、そんな私がBig4監査法人の採用面接フローから内定に至るまでのテクニックまで、網羅的に解説していきます。
それでは早速まいりましょう!
Big4監査法人アシスタントの採用面接フローは?
私がBig4監査法人へアシスタントとして入所しようと決めてからの主な流れは以下のとおりです。
- 転職エージェント2社に登録
- 転職エージェント1社に絞り志望先を決める
- 履歴書・経歴書をブラッシュアップする
- 履歴書・経歴書をもとに面接シミュレーション
- エージェント経由で履歴書・経歴書を提出
- 面接(2回)
- 内定
①転職エージェント複数社に登録
まずは、Big4監査法人の内定に強いエージェントへの登録から始めました。
Big4監査法人の情報を入手するのであれば、Big4やコンサルとの太いパイプがあるアクシスコンサルティングがおすすめです(USCPA試験勉強中の方も無料で登録できます)。
アクシスコンサルティング:Big4・コンサルへの5,000人以上の転職をサポート。77%が非公開求人&特別案件なので20~30代で年収1,000万円以上の大幅アップも。
②転職エージェント1社に絞り志望先を決める
エージェント登録後、複数のエージェントの方と面談を実施し、その中から自分に合うと思ったエージェントを厳選し、その方とのやり取りで「ここを受けたいです」といった旨を伝えました。
この時点で、転職エージェント1社に絞って戦略を一緒に練っていただくことにしました。
複数のエージェントを使うことも可能だと思いますが、個人的には1つのエージェントを使って転職活動する方が効率的だと感じました。
基本的に私は押し売りが好きではない性格なので、私自身のキャリアを尊重して丁寧に接していただけるエージェントを選びました。
ちなみに当時はアクシスコンサルティングに出会う前だったので、小さな人材会社の担当者とやり取りした結果選考へ進みました。
ですが、もし今からBig4への転職を考えるのであればアクシスコンサルティングをフル活用すると思います。(ちなみに今でも情報収集でお世話になっております)
③履歴書・経歴書をブラッシュアップする
履歴書・経歴書については新卒時代からかなりの時間が経過していたので、前職での業務内容を更新する必要がありました。
この過程では、
- 履歴書の情報は正確に記載する
- 経歴書は必要十分な情報に留め、書きすぎない
- 経歴書の実績は数字で実績を示す
といった点を意識しながら更新していきました。
特に、経歴書についてエージェントからアドバイスを受けたのは、
大したことがなさそうな実績でも数字で示せば説得力が上がる
というものでした。
私の場合は営業の経験があったため、当初は以下の内容で記載していました。
自分の担当店舗を委託先に効率的に運営してもらうため、積極的にコミュニケーションをとった
しかし、これでは何をしていたか全く見えてこないので、数字で実績が分かるよう以下のとおり変更しました。
自分の担当する4店舗(各売上規模1,500~2,000百万円)の委託先4社と連携し、2014年から2016年までの2年間で売上金額を120%増加させた
これはあくまで私の例を元にしていますが、数字を入れ込むことで、「この人は転職後も実績を作ってくれそうだ」という期待を持たせることができます。
また、仮に数値化するのが難しい部署に在籍されている方であっても、
- 人事:各部署の人材不足の状況を把握するためXヶ月間でX件の調査を行い、X名の中途採用に貢献した
- 法務:弁護士X名と1ヶ月あたりX件の会議を実施し、社内相談X件をさばいた
といった形で、何かしらの自分の実績を数値に落とし込めるはずなので、意識して実践されることをおすすめします。
④履歴書・経歴書をもとに面接シミュレーション
ある程度仕上がった履歴書や経歴書をもとに、エージェントに面接官役をやってもらい、以下のような想定問答を行っていきます。
- なぜBig4の中でもうちを選んだのか
- USCPAはどのような経緯で勉強するようになったのか
- 今の勉強の進捗はどれくらいか
- 全科目合格後はどのようなことをしたいか
上記をはじめ、自分では考えつかないような視点で質問を投げかけてもらうことで、ある程度変化球が来ても対応できるよう練習することができました。
⑤エージェント経由で履歴書・経歴書を提出
面接練習の過程でさらにブラッシュアップした書類が完成したら、エージェント経由で志望先に提出してもらいます。
書類提出後のスケジュール調整などもエージェントが代行してくださるので、書類通過の結果を待ちます。
⑥面接(2回)
エージェントから無事書類が通過した連絡をいただいた後は、その旨の連絡とともに面接スケジュールをいただくので、自分の空いている日程を調整します。
私の場合は3月下旬の選考だったため、私よりも監査法人の方がスケジュール調整で難航しているようでした(今振り返れば、繁忙期直前なので当たり前ですね…)。
そのため、パートナーとの面談1回・人事との面接1回の合計2回を、2時間通して行うこととなりました。
聞かれた内容としては以下のとおりです。
- 会計業界を目指そうと考えたきっかけ
- 会計業界の中でも監査法人を目指した理由
- USCPAの勉強はどのくらい勉強していて、いつ頃合格する予定か
- 入社時期はいつ頃を考えているか
特にパートナーとの面接は終始和やかな雰囲気で行われ、練習していた想定問答よりもリラックスして受け答えすることができました。
面接ではありましたが、パートナーの方から、各部門やポジションの大まかな説明や監査実務のエピソードをお話いただき、一方的に自分のことを話すといった流れではなかったです。
また、圧迫要素もなく、こちらの入社時期の希望も聞いていただけるなど、かなりフランクな面接でした。
とはいえ自分の話をしすぎないよう、面接官と自分の話す分量のバランスを考えながら、緊張感を保って臨みました。
その後の人事担当の方との面談も滞りなく進め、面接後数日以内に無事内定をいただくことができました。
⑦内定
内定後は、労働条件通知書をいただき、同意をしてサインといった流れです。
また、当時はコロナの影響で第1回緊急事態宣言が発出される直前だったのもあり、PCの受取・設定など最低限の準備のみが事務所でアナウンスされました。
その後は原則リモートワークで、2週間程度の研修期間を経て監査チームに配属されました。
私が入社した後の監査法人での仕事内容については別記事で解説しています。
テクニック①どんなキャリアのためにUSCPA取得して監査法人へ入ろうとしているかを明確にする
上記が私の経験した、Big4監査法人アシスタントの採用面接フローです。
採用面接にあたり、事前に準備したこととして最も重要だと感じたのが、ベタではありますが「志望動機」です。
といっても、「貴社を目指した理由は…」という短期的なゴールではなく、
- そもそもなぜ自分は会計業界でのキャリアを目指しているのか?
- 長期的なゴールは何か?最終的に自分が実現したいことは何か?
といった、自分の人生を自分で問いかける作業こそが志望動機づくりです。
志望動機は、自分が現時点でベストだと考えている長期ゴールを設定してこそ、説得力が増します。
「なぜ?」を自分に3回問いかける
そんな説得力のある志望動機を作り上げるには、自分自身に対して「なぜ?」を3回は問いかける必要があると考えています。
まずは、「そもそもなぜ今USCPAを目指そうと考えたのか」といった漠然とした疑問から徐々に掘り下げていくのが有効です。
なぜUSCPAを目指しているのか:英語と会計を活かした専門スキルを持った人材として働きたいから
↓
なぜ英語と会計を活かしたいのか:英語はビジネスにおいて必須だから。また、会計はあらゆる業界で求められ、自分が好きになれそうな分野だと考えたから
↓
なぜ会計が好きになれそうなのか:前職でも分析スキルが求められる業務に積極的に取り組むことができ、自信になったから。また、簿記の勉強も苦だとは思わなかったから
↓
なぜ分析が好きなのか:…
このように自分の中で「なぜ?」の問いかけを繰り返していくことで、自分がUSCPAを目指そうと思った理由について、自分の納得のいくレベルまで考えを深めることができます。
このプロセスが、説得力のある志望動機を作るのに貢献してくれます。
監査法人の志望動機を考えるプロセスの例
USCPAを目指そうと思った理由の次に、「会計業界の中でも監査法人を目指した理由」からスタートするのが重要です。
以下がサンプルです。
- 投資関連業務に携わっていたが、深く財務情報を読み取る力が自分にはなく、スキル不足を痛感した。そんな財務情報の分析スキルを実践的にできる場所が監査法人だったから
- 将来は経営者になりたいと考えているが、自分には経理や財務の経験もスキルもない。会社を横断的にチェックできる仕事が監査法人の監査業務だったから
このように、
数ある資格がある中で、なぜUSCPAなのか?
↓
USCPAの活躍のフィールドは事業会社、コンサル、金融など様々な中でなぜ監査法人か?
↓
監査法人の中でも、なぜここの法人に転職したいと思ったのか?
といった形で、広義の質問から、徐々に細かな質問への回答を作り上げていくと、ロジカルで説得力のある志望動機が完成します。
採用される確率をさらに上げるテクニック
ここまで、あなたがUSCPAを目指している前提でお話を進めてきましたが、それには理由があります。
なぜなら、昨今の監査法人の中には、人手不足とはいえ、USCPAをはじめとする有資格者になる意思のある方でないと選考が通りにくいといった法人もあるからです。
非常に裏ワザ的な話ではありますが、もしあなたがUSCPAの勉強を始めていなくとも、
- これからUSCPAを目指したいと思っている
- USCPA試験に向けた勉強や準備を始めている
といった意思を面接官に伝える方が、あなたが採用される可能性は高まると思います。
テクニック②エクセルスキルをアピール
文字通り「あると有利なスキル」の代表例がエクセルスキルです。
Big4監査法人での採用フローでは「ワード」「パワポ」もある程度求められますが、最も重視されるのは「エクセルスキル」だと思われます。
可能であれば、入所前に以下のスキルは身に付けておくのが望ましいです。
- VLOOKUP(XLOOKUP)関数
- IF関数
- ピボットテーブル
さらに、マクロスキルもあればなお良いですが、監査法人内でもあまり自在にこなせる方は少ないのでご安心ください。
もし、上記のスキルがなくても、
- 基本的なショートカット操作
- 四則演算の計算式の入力
- シート・タブのスムーズな移動
- セルの色付け・線引き・文字変更
といったスキルがあればそれだけでもアピールして内定を取れるでしょうし、転職後も問題なく実務をこなせると思います。(入社後のキャッチアップができればOKです)
もし自分のエクセルスキルが不足していると感じている方は、
エクセルの基本的な操作はできるので、VLOOKUP関数などのスキルは実務の中で身につけたい
といった方向性でアピールをするのが良いです。
ワード・パワポはそこそこでOK
もちろんエクセルだけではなく、ワード・パワーポイントについても最低限の操作はできるようにしておくと良いです。
これは人によりますが、
- クライアントや監査チーム内での会議用資料作成
- 議事録作成
- 部門紹介資料の作成
- 社内システムの操作ガイド作成
- クライアント向けの監査報告書ドラフト作成
といった業務で使用するシーンがありますので、前職がある方はあらかじめ基本操作はできるようにするのが望ましいでしょう。
テクニック③簿記2級or科目合格orTOEICで未経験をカバー
さらに面接で伝えることとしては、「Big4監査法人に自分がフィットする人材である」ことのアピールです。
監査法人においては、上記のエクセルスキルに加えて、
- 簿記スキル(基本的な仕訳と、財務諸表の理解)があるか
- 英語スキル(特にリーディング・ライティングスキル)があるか
の2点はかなり見られていると思います。
会計未経験なら簿記3級(できれば簿記2級)を取得しておく
財務・経理経験のある方であればそれほど問題にはならないですが、会計業界がまったくの未経験ということであれば簿記3級(できれば簿記2級)を持っておくのがベターです。
最終的にUSCPAを取得することになるとしても、日本の会計基準に従って会計監査を行うので、日本の勘定科目・仕訳・財務諸表に慣れる必要があります。
基本的な知識については、簿記2級レベルまででおおむねカバーできます。
英語スキルでスタッフ昇格後の活躍を面接官に想像してもらう
また英語スキルの指標としては、TOEICが選考プロセスにおいて一定の存在感を持っています。
多くの日本企業で判断基準にしており、監査法人も例外ではないと思われます。
TOEIC700点台を保有しておくことで、採用側は「ある程度は英語ができる人だな」と思ってくれます。
また、USCPA合格前の面接であっても「TOEICである程度のスコアを保有しているから、USCPAにも合格するだろう」といった期待を持ってもらえる可能性が高いです。
そのため、一概には言えませんが、TOEIC700以上を目標として英語学習を進めておくのも効果的です。
Big4監査法人のアシスタント内定後のメリット
採用面接フローを突破し内定を勝ち取った後の話ですが、特にUSCPA受験生にとって多くのメリットがあります。
- チームの理解があり仕事面でも配慮してもらえる(残業や有休の融通が利く)
- 社内USCPAホルダーや勉強仲間からノウハウを教えてもらえるのでUSCPA試験の学習を進めやすい
- 法人によっては予備校代の法人割引(20%OFF)や受験料の費用補助がある
またUSCPAに全科目合格した方が内定した場合も、
- ライセンス取得に必要な実務経験を満たせる
- ライセンス取得・保持費用や継続研修の受講料を法人が負担してくれる
- USCPAホルダーと知り合いになることでライセンス申請時のサイナーになってくれる
といったメリットがあると感じました。
まとめ:Big4監査法人へのアシスタント転職はチャンスが増える
以上のとおり、Big4監査法人へのアシスタント転職についてご紹介しました。
アシスタント最初の給与水準としてはやや低い傾向にありますが、USCPA合格後は給与水準は実に1.5倍以上になりますし、正直転職して合格を勝ち取れれば後でいくらでもリターンがあります。
幅広い人材を採用している監査アシスタント職はもちろん、経理や経営企画の実務経験がある方なら非監査(会計アドバイザリー)部門へのエントリーも可能です。
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実際に私の周りには、何人も無資格でBig4に転職されてきた方がいますので、あまりハードルを高く感じる必要はないのではと思います。
もし「Big4への転職を本格的に考えてみたい」という方は、以下のアクシスコンサルティングのキャリアアドバイザーへ相談するのがおすすめです。
私自身も登録して相談したのですが、押し売りもなく真剣に私のキャリアプランを考えていただけたのでかなり信頼できるエージェントだと感じました。
アクシスコンサルティング:Big4・コンサルへの5,000人以上の転職をサポート。77%が非公開求人&特別案件なので20~30代で年収1,000万円以上の大幅アップも。