- USCPA(米国公認会計士)試験の受験資格について知りたい
- 単位取得が必要と聞いたことがあるが、詳細を知りたい
このようなお悩みにお答えします。
結論から申し上げると、高卒以上であれば、大体の日本人が受験資格を持っています。
「日本にずっと住んできてアメリカになんて行ったことすらない」あるいは「ずっと日本の教育環境で学んできたから難しそう」と思う必要はありません。
今回の記事では、USPCAの受験資格があるかをチェックできるだけでなく、あなたの受験戦略のヒントとなる情報を提供しています。
以下2つのポイントに沿って考えれば、「自分でもUSCPA試験を受けられそう」ということが分かります。
- 自分の学歴を確認する
- 各州で求められる要件を満たして受験資格を得る
早速これらのポイントに沿って、USPCAの受験資格に関する情報を効率よくインプットしましょう!
USCPA(米国公認会計士)試験の受験資格
まず、USCPA試験の受験資格について一覧表をまとめました。
州・島嶼地域 | 受験資格取得条件 | ||||
日本の高卒・専門卒 | 日本の大卒 | 会計学必要単位 | ビジネス学必要単位 | 合計必要単位 | |
モンタナ(MT) | 〇 | 〇 | 24 (以下含む) financial accounting auditing taxation management accounting |
24 | 48 |
グアム(GU) | ✕ | 〇 or 120単位 |
24 (以下含む) Financial Accounting and Reporting (upper division) Auditing and Attestation Services (upper division) Taxation (upper division) Managerial Cost Accounting (upper division) |
24 (以下含む) Economics : 6 Finance : 3 Business Law : 3 |
48 |
ニューヨーク(NY) | ✕ | 〇 | 24 (以下含む) Financial Accounting(upper division) Auditing(upper division) Taxation Management Accounting |
21 (以下含む) Economics : 6 Finance : 6 Business Law : 6 Statistics : 3 |
120 |
アラスカ(AK) | ✕ | 〇 | 15 | ー | 15 |
ワシントン(WA) | ✕ | 〇 | 24 (内15単位 : upper level or graduate level) | 24 | 150 |
なお今回は5つの州に絞ってご紹介していますが、日本人受験性が受験資格・ライセンスを得やすい州に絞って解説しています。
興味があれば受験資格・ライセンス取得に150単位必要か否か?に関する記事もあわせてご覧ください。
自分の学歴を確認する
まずは第一のステップ「自分の学歴の確認」からチェックしていきます。
あなたの今の学歴で受験できる州か変わる
日本の公認会計士試験が受験資格の要件が一切ないのに比べて、USCPA試験は州によって学歴要件が異なります。
学歴の確認方法ですが、主に以下のステータスによって出願できる州が変わります。
- 高卒・専門学校卒
- 短大卒業見込
- 短大卒
- 大学卒業見込・大卒・大学院卒
それぞれの学歴に応じてどのような出願をすればよいのか、順番に見ていきます。
①高卒・専門学校卒業の場合:モンタナ州一択
高卒・専門学校卒業の方については、「モンタナ州」で出願することが可能です。
モンタナ州は、
- 学位不要
- 会計学24単位に加えて、ビジネス関連の24単位(合計48単位)が必要
といった、アメリカの各州の中でも突出した特徴を持っています。
その最大の特徴が、学位(大学の学士号や短大の準学士号)が不要で、48単位さえ取得すれば大卒でなくともOKという点です。
これは、高卒・専門学校卒業の方にとって、後述する他の州よりも出願要件がゆるいことになります。
そして、「会計学あるいはビジネスに関する学問24単位」というのは、USCPA予備校で、必要な分の単位だけを取得できるようなプログラムを用意しています。
このように大卒の学位を取得せずにほどほどの単位数で受験資格が得られるのはモンタナ州だけだと思われます。
②短大卒業見込の場合:モンタナ州orグアム州がおすすめ
高校を卒業したが短大を卒業見込である方については、モンタナ州に加えて、以下のグアム州でも出願することが可能です。
グアム州の受験資格にかかる特徴は以下のとおりです。
- 4年制大学の学位だけでなく、短大の準学位でも受験資格を得られる
- 会計学24単位に加えて、ビジネス関連の24単位(合計48単位)が必要
- 初回受験から1.5年(18ヶ月)以内に上記の48単位を取得できる予定ならば、卒業前でも受験可能
1点注意したいのが、「卒業前でも受験できる」という見込受験制度です。
仮に大学の単位を取得する前にUSCPA試験の4科目いずれかに合格すると、正式な合格ではなく「暫定合格」扱いとなります。
ここでの最大の留意すべきポイントは、合格後一定期間内に学位(あるいは準学位)及び大学での単位を取得しないと、合格が取り消されてしまう点です。
確実に短大の卒業が見込まれており、かつ、会計・ビジネス両方の領域での48単位も計画的に取得できる方であれば、グアム州出願を選択肢に入れてもいいでしょう。
③短大卒の場合:モンタナ州orグアム州がおすすめ
仮に短大を卒業された方の場合は、
- モンタナ州
- グアム州
- ニューヨーク州
いずれか3つの中から選択することが可能です。
モンタナ州・グアム州については既に述べた要件のとおりです。
一方、ニューヨーク州の受験資格にかかる特徴は以下のとおりです。
- モンタナ州同様、学位が不要である
- 学位を保有していなくても、120単位を取得済みであること
- 取得した単位の中には、財務会計・原価計算または管理会計・税務・監査にかかる単位を含むこと
ニューヨーク州の大きな特徴は、「学位は必要ないが、しっかり120単位を取得しなければならない」という点です。
かつ、USCPAに関連する領域での単位を取得する必要があるので、これもモンタナ州出願よりハードルが高いと考えられます。
なので、短大卒の方はグアム州またはモンタナ州出願で考えてよいのではないでしょうか。
④大学卒業見込・大卒・大学院卒の場合:アラスカ州がおすすめ
4年制大学の大学生(卒業見込)あるいは大卒・大学院卒の方については、
- モンタナ州
- グアム州
- ニューヨーク州
- アラスカ州
- ワシントン州
いずれか5つの中から選択することが可能ですが、特にアラスカ州がおすすめです。
アラスカ州の受験資格にかかる特徴は以下のとおりです。
- 4年制大学の学位を取得していること
- 会計学15単位を取得していること
また、ワシントン州の受験資格にかかる特徴は以下のとおりです。
- 4年制大学の学位を取得していること
- 会計学24単位・ビジネス関連の24単位を取得していること
- 合計150単位を取得していること
アラスカ州の方が、ワシントン州よりも受験資格の要件は緩やかになっています。
一方、USCPA試験に合格しライセンス取得する際、ワシントン州(実務経験1年以上)の方がアラスカ州(実務経験2年以上)よりも取得要件が緩やかという、逆転現象が起きています。
では、5つの中でどれがオススメなのか?ですが、
- 大学卒業前で会計学の単位を十分に専攻している場合→ニューヨーク州
- 大卒で会計学の単位が少ない場合(予備校で追加取得予定の場合)→アラスカ州
となります。
ニューヨーク州で求められている単位の要件は、会計関連科目を幅広く専攻した学生に有利な要件となっています。
一方アラスカ州であれば、大卒であることが条件ですが、会計学15単位さえ取得すれば受験資格が得られますので、
- 理系学部
- 法学部
- 文学部
など、経済学・経営学・商学・会計学といった領域を専攻されていない大卒の方におすすめです。
各州で求められる要件を満たして受験資格を得る
続けて、「要件を満たす」という2つ目のステップです。
①単位取得はUSCPA(米国公認会計士)予備校or放送大学どちらがいいのか?
各州での受験資格を得るために会計学やビジネスの単位を取得するには、専攻が商学部等でないかぎり一定以上の費用がかかります。
仮にアビタス経由で受験資格を得るための単位取得費用を申し込むと、1科目(2~3単位)あたり24,200円=1単位約8,000円がかかります(入会するタイミングによっては金額が変動する可能性があるので、正確な金額はアビタス側で見積書を作成してもらうのが確実です)。
一方放送大学には、自分の受けたい科目だけに絞って履修できる「科目履修生」といった制度があります。
たとえば、アラスカ州出願に必要な会計学15単位を取得したいと考えた場合、
- アビタスの場合:24,200円(2単位)×7.5=181,500円
- 放送大学:7,000円(入学金)+11,000円(2単位)×7.5=89,500円
といったように、約10万円の開きが出てきます。
また、学歴評価の際、日本の放送大学で取得した単位をUSCPAに必要な単位として認定されたといった実績もあるようです。
コスト面で考えると、圧倒的に放送大学で単位を取得するのがお得ですが、各予備校のプログラムと比較しながら慎重に判断するのがおすすめです。
ちなみに、近年開講したCPA会計学院のプログラムであれば、講座費用の中に会計単位の取得費用も含まれておりコスパが良いと思います。
以下の記事でアビタスとCPA会計学院を比較しているので、気になる方はあわせてご覧ください。
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②予備校の相談会で受験資格を得るまでのロードマップを描く
私の場合、
- 国内の大学の経済学部卒業
- 会計学や商学の単位なし
- ビジネス単位を複数取得済み
というパターンでした。
これについてアビタスの無料カウンセリングを受けて、会計学15単位の履修だけで出願できるアラスカ州を出願先にしました。
しかしもし今、私が予備校に申し込む前に戻れるとしたら以下2パターンのどちらかのルートを辿ります。
パターン1②:CPA会計学院のUSCPA講座に申し込む
あるいは
パターン②:
- 自分に足りない単位を把握する
- アラスカ州出願であれば会計学15単位が必要と判明する
- USCPA試験の手続きを管轄するNASBAか放送大学に対し、放送大学での単位がアラスカ州出願に必要な単位として認められるか問い合わせる
- (放送大学の単位が認定された場合)アビタスに15科目分の単位を含むパターン・含まないパターンで2つの見積書を提示してもらう
- 放送大学+アビタスライトパック+アビタスの単位取得割引(5万円割引) or アビタスライトパック の安い方を申し込む
といったどちらかのルートを選ぶと思います。
コスパをより重視するのであれば、パターン①の方がいいかもしれません。
まとめ:多くの日本人がUSCPA(米国公認会計士)の受験資格を得られる
これまでご紹介したとおり、USCPA試験は高卒以上の方であれば受験資格を得られる試験です。
USCPA試験はそれなりに費用も時間もかかる試験ですので、削れるところはどんどんコストカットするのが賢明だと思います。
受験資格を考える上での会計大学院の必要性など、その他受験資格に関する他の記事もご参照ください。