USCPA(米国公認会計士)を目指すのはやめといた方がいいのか知りたい
このようなお悩みにお答えします。
USCPAを知らない人、受けたことがない人、合格したことがない人の中には「USCPAなんて取得しても意味がない」と考える方が一定数いるかもしれません。
「USCPAなんてやめとけ」というワードで片付けられる可能性もあるのがこの資格のつらいところ。
しかし本当にそうなのか?
USCPA合格者の私が、
- やめとけと言われる理由はなんなのか?
- どういう人であればやってみるべきなのか?
について実際に取ってみて感じた体験談も含めて解説します。
USCPAなんて「やめとけ」に対する合格者の結論
早速ですが「USCPAはやめといた方がいいのか?」という疑問への回答をお伝えします。
①目指す価値あり。USCPAが気になる人は徹底リサーチすべし。
結論としては
20~30代のキャリア形成中の若手にとっては、「USCPAは取得する価値は大いにアリ」
です。
実際、USCPAに合格した私個人としても、USCPAは取る意味・価値はめちゃくちゃあったと感じます。
なぜUSCPAは取得する意味がない、といった意見が存在するのか?
これっておそらく、USCPAを取得できなかった人や、あなたのキャリアアップして欲しくない人が言っている意見ではないでしょうか。
実際に私の周りの合格者で、USCPAに合格して後悔している人は一人もいません。
むしろ、
- 合格すればこんなにコスパが良い資格をみんななぜ目指さないのか?
- 「USCPAなんてやめとけ」と言ってくれてラッキー♪
- 合格者は合格者でホクホクしながらキャリアを自分のやりたいように作っていこう
くらいに思ってます。
いかんせん日本人の合格者がまだまだ少ないので、その価値の大きさをわかっていない人が多いです。
USCPA合格者の本当の実態としては、USCPAに合格して、Big4監査法人で経験を積んで、LinkedInに登録すれば、あらゆる企業やエージェントからバンバンスカウトメールが来ます。
もちろん玉石混交なのでしっかりと求人を見極める必要はありますが、私の例で言えば
- 各業界トップ企業
- 外資金融のバックオフィス
- Big4監査法人・コンサル・FAS
- ブティック系コンサルティングファーム
- GAFAM
など幅広いです。
30代前半でこれなので、20代のうちに合格して実務経験もあれば、さらに夢は広がるのではないでしょうか。
目指してみる価値はありますのでぜひ検討してみてください。
②キャリアの方向性や年齢によってはシビアさもある
ただし、状況によってはやめといた方がいい人もいます。
それは、
- 40代に差し掛かり、会計もファイナンスも未経験でキャリアを積んでこなかった人
- 会計領域でのキャリア形成に興味がない、ストレスが大きそうな人
の2種類のパターンだと該当するかもしれません。
当たり前といえばそうかもしれません。
40代で会計のことを何も知らない人で監査法人に入所できるかといえば流石に厳しいです(少なくともBig4では見たことがない)。
または、会計や簿記に苦手意識があるにも関わらず無理やり目指そうとする人も要注意。
結果的にUSCPAの勉強が継続できずに撤退に終わる可能性があります。
上記のようなシビアさも含めて考えてみるのがいいです。
USCPAなんて「やめとけ」と言われる理由7選
もう少し、「USCPAは意味ない!やめとけ!!役に立たない!!!」と言われる理由について深掘りします。
「USCPAなんてやめとけ」と言われる理由は、この資格の持つユニークさゆえそれなりに多いです。
①USCPA(米国公認会計士)は転職・就職に不利だから
「USCPAは転職や就職に不利だからやめといた方がいいよ」という意見。
USCPAは文字どおりアメリカの公認会計士の資格ですので、日本では直接その価値を活かせる機会は少ないということらしいですが...。
残念ながら嘘です。
私の周りでもUSCPAを目指す人が少しずつ増え、着実に合格者も増えている印象です。
それだけ今の日本に危機感を抱き、海外に目を向けて行動し始めている方が多いのだと思います。
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USCPAは間違いなくあなたのキャリアにプラスになります。
個人的な話ですが、私の年収も、USCPAを取った後は2倍前後にアップしましたし、現在は非常勤で高時給をもらっています。
なんなら週3勤務で、世の中のサラリーマンの平均年収よりも高い報酬をいただいています。
しかし、これは私の能力が高いからではなく、資格と実務経験があったから評価されたに過ぎません。
誰でも達成可能な話です。
こういう「上手くいっている」っていう話や「美味しい」話なんて、みんな話す必要がないので話していないだけです。
あるいはUSCPAという資格を上手に活用できていないだけ(資格貧乏というやつ)。
USCPAは英語&会計の両方ができることの分かりやすい証明になるので、USCPAをもつ日本人の価値は非常に大きいと感じています。
なので、「海外の資格だから意味ない」と決めつけてUSCPAに挑戦しないのは非常にもったいないです。
②日本の会計士試験より簡単だから
JCPA(日本の公認会計士)は、日本三大国家資格と言われるレベルの超難関試験です。
一方、これと比べると「USCPAの合格率は高い」「USCPAは簡単に取れる」といった風潮があると感じます。
たしかに求められる学習内容についていえば、USCPA試験はJCPA試験ほど難しくないです。
しかし、USCPA試験は世間的に見れば十分に難易度の高い試験と言えます。
少なくとも簿記1級よりは取得難易度が高いと思いますし、勉強時間1,500時間前後は覚悟すべきです。
さらに費用面でも少なくとも100万円以上かかり、かなりの労力が必要です。
ですが、それでもUSCPAという資格は取る価値があるものです。
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③日本での認知度が低く役に立たないから
日系の大企業やコンサルティングファーム、外資系企業を除けば、いまだにUSCPAは過小評価されているように感じます。
しかし、それはUSCPAのことをよく分かっていない方が多い(認知度が低い)ことの裏返しだと思っています。
USCPAを目指す方は少しずつ増えてきているように思います。
その背景には、「このまま何もスキルがないのはまずい」という危機感を日本人の多くが感じ始めたからではないかと推測しています。
USCPAの認知度は、やがて日本国内でも徐々に上がっていくものと思います。
徐々に知名度が上がれば、「USCPAという資格には将来性がある!」と多くの人が正しく認識してくれるようになるでしょう。
では、認知度が低い現状でUSCPAは役に立たないのか?というと、決してそんなことはないと思います。
- Big4監査法人
- Big4 FAS
- 大手会計事務所
- コンサルティングファーム
- 外資系企業
といった業界では、USCPAの希少価値をしっかり評価してもらえますので、USCPA合格後は安心してこれらの業界にチャレンジできます。
個人的には、私の所属するBig4をはじめ、キャリアが広がり高収入が狙えるコンサル業界への転職がおすすめです。
④お金も時間もかかるから
続けて、「お金も時間もかかってムダ」という意見。
もちろん、合格という目的を達成できないことは、お金や時間の無駄になる、という方も一定数いるかもしれません。
しかし当たり前ですが、お金も時間もかかるのは、資格試験に挑む以上当然ではないでしょうか?
むしろお金や時間をかけずして、どうやって自分のスキルアップを目指すというのでしょうか。
⑤気軽に始めるべきではないから
これに関しては同意するところもあります。
手厳しいようですが、「気軽に始めるものではない」「まずは簿記から」は全て事実です。
なぜなら、簿記も英語スキルもある程度準備してからUSCPA試験に臨まないと、科目合格の失効などでやる気を失ったり撤退してしまう方が一定数いるからです。
⑥キャリアのゴールにマッチしないから
人それぞれ、目指すべきキャリアは異なると思います。
しかし、「自分はどう考えても、会計やファイナンス領域のキャリアは目指さないだろう」という考えを持つ人には向いていません。
結構手厳しい意見ですが、「受かった後何がしたいか?」を自分なりにキャリアゴールとして設定しておくことはめちゃくちゃ重要だと思います。
先ほどのツイートとも被りますが、USCPA試験は気軽に始められる試験ではない(私の勉強時間:1,450時間)ため、このような意見もある意味正しいと思います。
なぜなら、Big4監査法人においても「USCPAの勉強を始めたものの意外に勉強時間がかかり、結局モチベーションが続かず不合格のまま…」といった方がかなりの割合でいるからです。
監査法人のアシスタントというほどほどに給料ももらえてホワイトな労働環境(いわゆる「ぬるま湯」)に居心地の良さを感じてしまい(あるいは逆にブラックなチームにアサインされて)、気が付いたらUSCPA試験を勉強しなくなっていた…となっては意味がないです。
結局そういう方は、自分を追い込んだ「フリ」になってるだけという悲しい事実があります。
なのでUSCPAの勉強をやるからには「毎日コンスタントに勉強する!!」「不合格をくらってもへこたれない!!」というメンタルを整えてから臨むべきだと感じます。
⑦USCPAという資格の価値を理解できている人が少ないから
USCPAという資格の本当の価値を分かっている人は少ないです。
例えば「USCPAを目指そうと思っている」という話を初めて聞いた人の中には、以下のような考え方の人も間違いなくいると思います。
- 知ってる知ってる、日本の会計士より簡単なんだよな。
- 「US」?アメリカの資格なんかとっても、ウチみたいなJTC(Japanese Traditional Company=伝統的な日本の大企業)なんかで使えないよ…
- おいおい、コイツUSCPAとかって訳わからん資格目指してるよ。先に昇進とかされたら嫌だな…
など、あなたが何かに挑戦することに対してネガティブに捉えたり。
ですが結局、みんな不安なだけです。
新しいことをやろうとするのを封じる文化は、残念ながら色んなところで根付いています。(私も典型的なJTCにいた頃、これに絶望してばかりいました)
こういった意見が少なからずあるのは、今回の記事を読んでくださっている皆さんならありありとイメージできるのではないでしょうか?
上記のようにとらえる今の職場の企業文化がイヤだから、現状を変えたいから、「USCPAを目指そうかな?」と考えてこの記事を訪れてくださっている方が多いと信じています。
そしてその「USCPAを目指そう」という直感は大正解です。
簿記2級(3級でもOK)と英語スキル(TOEIC700以上が目安)と1回2回の不合格でもへこたれない強いメンタルをお持ちなら、すぐにUSCPA試験勉強を始めるべきだと思います。
まとめ:USCPA(米国公認会計士)はやめとけ?そんなことはない。
以上のとおり、「USCPAは意味ない」という世間の声に対する私の意見をお伝えしました。
冒頭の繰り返しとなりますが、USCPAは非常に価値の高い資格です。
1,500時間前後の勉強時間で取得できる、これよりコスパの良い資格はそうそうありません。
合格した私も含め、周りのUSCPA全科目合格者は誰一人として、「USCPAは意味ないよ」なんて言う方はいません。
あなたの可能性を大きく広げてくれる資格なので、ぜひ1人でも多くの方にチャレンジしてほしいと願っています。