USCPA(米国公認会計士)のBig4監査法人に転職した場合の年収を知りたい
このようなお悩みにお答えすべく、現在Big4監査法人に勤務している私がUSCPAがBig4監査法人に転職した場合の年収について調査しました。
今回の記事は、Big4転職で悩むUSCPA&USCPAを目指されている方も各Big4の年収・給与水準が分かる内容となっていますので、是非読み進めていただければと思います。
なお今回の記事は、転職口コミサイト「Openwork」の情報をもとに作成しました。
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監査法人の年収水準・年収体系
一般的な監査法人の給与水準は以下のとおりです。
役職 | 年収水準 |
スタッフ (20-30代) |
480~650万円 |
シニアスタッフ (20-30代) |
600~900万円 |
マネージャー (30-40代) |
800~1,100万円 |
シニアマネージャー (30-40代) |
1,100~1,300万円 |
パートナー (40-50代) |
1,500万円~ |
基本的は役職としては、スタッフからスタートしてシニアスタッフ→マネージャー→シニアマネージャー→パートナーと役職が進みます。
スタッフに関しては大体のBig4が月収32万円スタートで、ボーナス(少なくとも3ヶ月分)も含めると32万円×15ヶ月=480万円には到達すると思われます。
また、シニアスタッフまでは残業代がつくものの、マネージャー以降は裁量労働制のため「残業代が稼げないにもかかわらず超多忙な状態」となり、シニアの中にはマネージャーに昇進するのを控える方もいます。
パートナーになれるCPAはほんの一握り。大半の方はパートナーになる前に転職・転籍して別のフィールドに行くと思います。
Big4監査法人(監査部門)でのUSCPA(米国公認会計士)の年収
Big4監査法人は、以下4法人のことを指します。
- 有限責任あずさ監査法人
- 有限責任監査法人トーマツ
- EY 新日本有限責任監査法人
- PwC あらた有限責任監査法人
上記の給与水準のとおりなのか、「Openwork」のBig4監査法人の年収口コミをもとに調査しました。
Big4監査法人の平均年収
まずは各Big4の平均年収ですが、4社平均は792万円でした。
- 有限責任あずさ監査法人:814万円
- 有限責任監査法人トーマツ:794万円
- EY 新日本有限責任監査法人:797万円
- PwC あらた有限責任監査法人:764万円
一番平均年収が高いのはあずさ。次いでトーマツ、EY新日本、PwCあらたとなっていますが、給与水準はいずれもそれほど変わらず、おおむね800万円弱で推移しています。(Big4 FASの年収についても別記事でご紹介しています)
Big4監査法人の役職別年収
また、役職ごとの年収は以下のとおり。
あずさ | トーマツ | EY新日本 | PwCあらた | |
スタッフ (20-30代) |
611万円 | 666万円 | 618万円 | 713万円 |
シニアスタッフ (20-30代) |
815万円 | 840万円 | 838万円 | 口コミなし |
マネージャー (30-40代) |
1,078万円 | 973万円 | 984万円 | 1,125万円 |
シニアマネージャー (30-40代) |
口コミなし | 口コミなし | 口コミなし | 口コミなし |
パートナー (40-50代) |
口コミなし | 口コミなし | 口コミなし | 口コミなし |
スタッフに関してはおおむね600万円台前半といったところ。PwCあらたのスタッフが713万円と非常に大きいですが、おそらくはシニアの方も含まれていると推察されます。
私の場合は570万円でしたのでやや高い印象ですが、Openworkの口コミ投稿者には3~4年勤務して年収アップした方が多いのかもしれません。
シニアマネージャーやパートナーに関しては口コミがほとんどありません。これは、そもそも在籍人数が少ないということもあり、身バレを防ぐために情報を開示していない方が多いからだと思われます。
最近では、法人によってはJCPAホルダーでなくとも実力があれば監査法人内での昇進を目指しやすくなっているようです。これについては監査法人ランキングの記事で考察しています。
Big4監査法人の年齢別年収
各Big4の5年ごとに区切った場合の世代別年収は以下のとおりです。この中には、JCPAだけでなくUSCPAやITの専門職等も含まれています。
あずさ | トーマツ | EY新日本 | PwCあらた | |
25歳 | 612万円 | 618万円 | 630万円 | 603万円 |
30歳 | 765万円 | 725万円 | 731万円 | 689万円 |
35歳 | 865万円 | 827万円 | 808万円 | 787万円 |
40歳 | 916万円 | 912万円 | 897万円 | 975万円 |
45歳 | 961万円 | 949万円 | 1019万円 | 1,222万円 |
50歳 | 1,085万円 | 口コミなし | 1167万円 | 口コミなし |
Big4はおおむね経験年数に応じて昇進・昇給する文化があり、年齢を重ねるごとに年収は大きくなっています。
ただ、最近ではスタッフ→シニアスタッフへすら自動的に昇進できないBig4も出てきています。
たとえば「一緒に働いたチームの人XX名から高評価を得る必要がある」など、以前までは上位職で求めていた人事評価制度を下位職にも採用している傾向があり、昇進しずらい風潮もあります。
どのような評価制度が敷かれているかは、転職エージェントや既に務めている知人などに事前に確認しておくことをおすすめします。
Big4監査法人の初任給
ちなみに補足として、各Big4の初任給(月収)は以下のとおりです。
- PwC あらた有限責任監査法人:月給405,740円 ※みなし時間外勤務手当 月30時間分(85,740円)含む、30時間を超えた時間外勤務については別途手当支給
- 有限責任監査法人トーマツ:月額給与320,000円
- EY 新日本有限責任監査法人:月給(首都圏)320,000円 月給(地区)317,000円
- 有限責任あずさ監査法人:320,000円(首都圏手当10,000円含む)
あらただけ、30時間分のみなし残業代を含んでいるため、8万円近く差をあけて月給約40万円とトップです。
他は32万円程度が相場ですが、他のBig4にしても繁忙期の残業時間はかなり増えるので、それに応じて給与の金額も跳ね上がります。
ちなみに、私のBig4の年収についても別途ご紹介していますが、繁忙期に残業100時間近くまで働くと月収50万円はゆうに超えます。
なお、初任給に関する情報は各Big4の以下募集要項より抜粋しています。
転職後はスタッフからスタート
監査法人未経験で転職した場合、基本的にはスタッフからのスタートとなります。
一般企業に勤務後に転職した場合、営業部門や管理部門での経験評価されるかと思いますが、監査業務は監査法人でしか積めないユニークな経験ということで、前職での経験は考慮されにくいかもしれません。
一方、他のBig4や中小監査法人といった同業他社からの転職の場合は前職を考慮したポジション・給料での転職が多いかと思います。
USCPA・JCPAの給与に差はほぼない
以前は、給与水準がJCPA>USCPAという構造になっているのが一般的でしたが、近年では給与水準の差はかなり埋まってきている印象です。
私がUSCPA合格後にBig4監査法人内で労働契約を結びなおした際も、JCPAと同水準での契約となりました。
監査法人によっては多少差をつけるところもあるかもしれませんが、そこまで差は大きくないと考えてよいかと思います。
Big4監査法人(会計アドバイザリー部門)の年収
これまでご紹介したのは、Big4の本業である「会計監査部門」の年収です。
一方、監査法人ランキングでもご紹介していますが、近年のBig4監査法人は非監査保証業務=会計アドバイザリー業務に力を入れています。なぜなら、本業たる会計監査よりも需要が大きく伸びしろのある領域だからです。
「Big4監査法人」という点では同じものの、部門の違う「会計アドバイザリー部門」についてもチェックしてみます。
ちなみに各Big4会計アドバイザリー部門の名称は以下のとおり。
- 有限責任監査法人トーマツ:Accounting Advisory部門
- PwC あらた有限責任監査法人:財務報告アドバイザリー部 ※2022年夏より事業会社部門・金融機関アドバイザリー部門が統合
- 有限責任あずさ監査法人:AAS事業部(アカウンティングアドバイザリーサービス)
- EY新日本有限責任監査法人:FAAS事業部・金融事業部
Big4監査法人(会計アドバイザリー部門)の平均年収
Openworkで見た各Big4監査法人の会計アドバイザリー部門の平均年収は以下のとおりです。
- 有限責任監査法人トーマツ Accounting Advisory部門:814万円
- PwC あらた有限責任監査法人 財務報告アドバイザリー部:835万円
- 有限責任あずさ監査法人 AAS事業部:1,027万円
- EY新日本有限責任監査法人 FAAS事業部・金融事業部:869万円
あずさについては母集団の人数が少ないためかなりバラつきがあります。そのため、回答人数の多いトーマツ(814万円)・PwCあらた(835万円)・EY新日本(869万円)がBig4会計アドバイザリー部門の平均的な年収水準と思われます。
この3社の平均が839万円なので、さきほどの監査部門の平均年収(792万円)よりも47万円(約50万円)高い結果となりました。
ちなみにFASとの大きな違いですが、監査法人のアドバイザリー部門は
- 財務諸表の作成
- 内部統制構築・評価支援
- M&Aの財務報告支援
- 財務デューデリジェンス
といった会計に特化したコンサルティングを展開しています。
このように、「FASほど忙しくないけど監査法人よりやや年収が高め」という利点もあり、監査法人内でも監査部門から異動する方が少しずつ増えてきています。
個人的な考えですが、「USCPA合格後に監査法人には入りたいけど、将来的にはコンサル的な仕事もしたい」という方であれば、非監査(会計アドバイザリー)部門に入ることでかなり良いキャリアを描けると思います。
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まとめ:監査法人の年収水準は高め
以上、USCPAのBig4監査法人の年収についてお伝えしてきました。
もし「Big4監査法人への転職を本格的に考えてみたい」という方は、以下のアクシスコンサルティングのキャリアアドバイザーへ相談するのがおすすめです。
私自身も登録して相談したのですが、押し売りもなく真剣に私のキャリアプランを考えていただけたのでかなり信頼できるエージェントだと感じました。
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