- USCPA(米国公認会計士)の受験前に英語の勉強時間がどのくらい必要か知りたい
- USCPAを受験しようか迷っているが、必要とされる英語のレベルが分からない
このようなお悩みに答えます。
TOEIC700点台でUSCPAの勉強をスタートして合格した私が、実際に受験した経験を踏まえてUSCPAで必要な英語力(英語のレベル)について解説してまいります。
それでは順番に見ていきましょう!
①USCPA(米国公認会計士)試験の前提となる英語の勉強時間:0時間~400時間
まず、USCPA試験の前提となる英語の勉強時間は0時間~200時間です。
200時間というのは、TOEIC試験を主宰するIIBCが発表しているTOEICのリーディング平均スコア(約300点)を、+50点程度底上げする場合に必要とされる勉強時間です。
IIBC「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」より
このように、日本人受験生の平均スコアは611点となっており、概ねリーディング・リスニングで300点程度を取っている計算となります。
もし英語力が平均的な方が、後述の「TOEIC700レベル」の英語力を身につける場合には、TOEIC600→700へと+100点アップさせるのに400時間程度必要になると推測されます。
②USCPA(米国公認会計士)試験の前提となる英語のレベル:TOEIC700程度
私自身もTOEIC700点台を持っていた状態でUSCPA試験をスタートしましたが、事前に700程度のスコアを取っていて良かったと考えています。
なので、既にTOEICのリーディングスコアが350点程度(TOEICリーディング・リスニング700点程度)の方であれば、ある程度の長さの英文を抵抗なく読めると推察されます。
しかし実際のUSCPA試験は、本人のバックグラウンド次第で勉強時間もかなり変わってくる資格試験であり、一概にTOEICや英語スキルで推し量れるものではありません。
USCPA試験は本来アメリカやカナダのネイティブの受験生に会計知識を問う試験であって、TOEICなどの日本人の英語力を試すための試験というのはまったく意味合いが異なります。
そのため、たとえTOEICなどで満点近くを取っていたとしても、知らない単語や表現が出てくるのがUSCPA試験です。それでもめげないで英文を読みぬくことができる方が合格すると言えます。
TOEICについては別記事でも解説しています。
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③事前に簿記3級に合格しておくのはほぼ必須
事前に簿記3級に合格しておくのはほぼ必須と考えた方がいいです。
日本語であらかじめ簿記の基礎を理解していることは、後々USCPAの勉強を進めるうえでアドバンテージになります。
ちなみに私の場合は簿記2級まで合格していた状態でUSCPA試験の勉強を始め、1,450時間で全科目合格しました。
可能であれば簿記2級まで勉強してからUSCPA試験の勉強を始めるのがベターです。
USCPA試験科目のFAR(財務会計)は簿記2級の商業簿記、BEC(ビジネス諸論)は簿記2級の工業簿記とそれぞれ範囲が重複するからです。が、早めにUSCPAの勉強を始めたい場合は、簿記3級合格直後でも大丈夫です。
簿記検定については以下の記事で解説しています。
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④予備校の謳い文句は鵜呑みにしないことが重要
さらにUSCPA予備校からみれば、基本的により多くの方に入会してほしいので「誰でもできます」といった宣伝をしますが、それを鵜呑みにすべきではありません。
- 自分は1~2年間、本当にUSCPA試験を続けられるか
- 英語は大嫌いではないか
- 長文を読むメンタル、落ちてもへこまずに再チャレンジできるメンタルはあるか
といった視点で、冷静に自己分析するのが望ましいです。
なぜなら、予備校はなるべく多くの受験生に申し込んでほしいので、USCPA試験の英語のハードルを低いように見せていると思われるためです。
しかし実際にはUSCPA試験は合格率が低く、撤退する方も多い試験です。
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上記を踏まえると、予備校の謳い文句を鵜呑みにせず、しっかり自分に合った予備校を見極めたうえで入った方がいいと思われます。
とはいえ私自身は「TOEIC700点台と簿記2級を持ってればUSCPAも大丈夫だろう」という非常に軽い気持ちで申し込みましたが、4科目すべて1回目受験で不合格という経験もしたので、自分への戒めもこめて解説しています…。
私のブログでは、18ヶ月で合格できる旨をお伝えしていますが、これは簿記3級・TOEIC700点を準備した状態がスタートラインと認識いただければと思います。
では、実際に大手予備校は、求める英語力についてどのように述べているのか見ていきましょう。
①アビタスの示す「必要な英語力」
たとえば私も通っていた予備校であるアビタスでは、英語スキルについて以下のとおり触れられています。
アビタスの想定する英語力についてのポイントは以下のとおりです。
- 英語が得意ではなくても合格の可能性がある
- 英語の会計用語を知っていることが鍵
- 英検1~2級orTOEIC800点あると望ましいが、アビタスのテキストを使えばTOEIC400~500でも合格可能
まず、英語は得意である必要はないですが、少なくとも勉強している過程でUSCPA試験の「英語で会計を勉強する」という勉強が好きにならなければ勉強は続かないかもしれません。
また会計用語を知っていることも確かに重要ですが、やはり最低限の英文法・英単語・英文読解力のスキルは前提としてあった方が良いです。
アビタスのテキストは4科目とも日本語で解説されているので英語で学習するのが苦手な方でも進めやすいですが、そのまま英語力の鍛錬をしないと厳しいかもしれません。
なんやかんや、すべてを英語で進めないといけない試験だからです。
以下記事のサンプルテスト(USCPA本試験レベルの問題)を見てみれば、USCPAの本試験がどのような構成となっているのか、どのようなレベルの英語力が問われているのかを把握することができます。
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USCPA試験には科目失効制度があるので、コンスタントに合格しなければ以前合格した科目を再度受験する羽目になりますし、実際に私の周りでも失効した方がちらほらいます。
それらの方は、英語も会計も最低限のスキルはあるものの、演習に集中できる期間が限られていたりライフイベントが発生したりといった要因で失効している場合が多いです。
つまり、TOEIC400~500でも合格は可能だが、長期戦を覚悟しないといけない可能性がより高まると思います。
もし、「最初から長期戦になって複数回受験しないといけないくらい英語力に不安がある」ということであれば、予備校に申し込む前に英語力を伸ばしておく方が結果的に時間面・費用面でコスパがいいのではと考えています。
おすすめのUSCPA予備校
アビタス:合格者実績No.1。日本語テキスト&厳選した問題で演習したい方向け
②TACの示す「必要な英語力」
次に、TACの公式HPでは以下のとおり記載されています。
資格の学校TAC「[USCPA試験に関する質問]英語力に不安があるのですが、大丈夫ですか?」より
TACについても、「英語力に不安があっても勉強可能」という旨をコメントされていますが、やはりTOEIC700レベルの英文法・英単語・英文読解スキルを身につけておくことが望ましいと思います。
TACもアビタスも、「本試験はシンプルな英語で出題される」と言われますが、悲しいことに実際はそれほどシンプルではないです。
おすすめのUSCPA予備校
資格の学校TAC<USCPA(米国公認会計士)>各種コース開講:良質な問題多し。日英併記テキスト&問題演習重視で短期突破したい方向け
まとめ:英語スキルを底上げしておくに越したことはない
以上のとおり、USCPA試験で求められる英語の勉強時間・レベルについて解説してきました。
USCPA試験はたしかに英語に多少不安があっても勉強を始めることができますが、本気で短期間で合格しに行くならTOEIC700を取れる程度の準備を整えてからチャレンジするのがいいと考えています。
なぜなら、以下のような状況であっても試験を突破できるようなタフなメンタルが求められるからです。
- 日頃の学習で英語の長文読解を継続できるメンタル
- 1科目で4時間ぶっ続けの英語の試験を4科目突破するメンタル
- 仮に落ちても再チャレンジする闘志を燃やし続けられるメンタル
USCPAはコストも時間もそれなりにかかる試験なので、是非今回の記事を活用してUSCPA試験にチャレンジいただければと思います。
ぜひ今回の記事が、USCPA受験で悩む方のお役に立てば嬉しいです。