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USCPAと税理士を比較!ダブルライセンスはおすすめ?

USCPA職人

USCPA(米国公認会計士)|事業会社→Big4監査法人→非常勤|働きながら全科目合格|「USCPA職人」ブログでUSCPAの勉強やキャリアについて発信しています。

  • USCPAと税理士のダブルライセンスに価値があるのか分からない
  • それぞれの資格の難易度勉強するとしたらどちらにすべきかを知りたい

このようなお悩みにお答えします。

Big4監査法人へアシスタントとして転職後、アビタスで勉強しながらUSCPA試験に合格した私が、USCPAと税理士のダブルライセンスや、これらの資格の違いについて徹底的に比較してみました。

今回の記事を読めば社会人でも学生の方でも、USCPAと税理士を両方保有することの強みや自分はどちらが向いているかについて明確にできると思います。

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USCPA(米国公認会計士)と税理士のダブルライセンスによるメリット2選

まずはUSCPAと税理士のダブルライセンスを保有することによるメリットを2点ご紹介します。

①日米の税務に詳しい専門家として活躍できる

第一に、もしUSCPAと税理士の両方を保有していれば、あなたが企業に勤務しているか独立しているか、あるいは社内外を問わず日米の税務に詳しい専門家として頼られるので活躍の幅が広がります。

USCPAではREGという科目でアメリカの税法を学んだことの証明になるのに加えて、税理士資格も保有しているとすれば幅広い分野での税務のエキスパートとして認知してもらえると思います。

②希少性を活かして独立・起業もしやすくなる

第二に、単純にUSCPAか税理士の資格があるよりもダブルホルダーの方が、税務のプロフェッショナルや税務コンサルタントとして差をつけやすいです。

また、「英語や国際税務に強い税理士」というのをウリに国内で税理士事務所を開業することも目指せるのではないでしょうか。

もちろん独立・起業するにあたっては税務に関連する実務経験が必要となりますが、税務に関連する難関資格が複数あることはクライアントからすれば確実にあなたに対する信用・信頼の土台となります。

USCPAと税理士どっちの方がおすすめか?

これまではダブルライセンスを前提に解説してきましたが、「そもそも両方を取得するのは非常にハードルが高くて大変...」と思う方もいらっしゃると思います。

そこで「USCPAと税理士いずれかを取得する場合どちらがおすすめか?」についてもご紹介します。

結論から言えば、目指されているキャリアによって分かれると考えています。

①USCPA:グローバル企業やBig4に転職してキャリアアップを図りたい方向け

USCPAを目指すのであれば、グローバル企業やBig4に転職してキャリアアップを図りたい方が向いていると思われます。

私自身は事業会社からBig4監査法人に転職しましたが、USCPAを取得したことでより大きな年収アップを実現することができました。

Big4監査法人だけでなく、今後はさらにFASやコンサルの領域にもチャレンジできる可能性があると思いますし、USCPAは大企業の中でキャリアアップを目指す方にはおすすめの資格と言えます。

②税理士:税務or経営コンサルタントとしてキャリアアップしたい方や独立開業したい方向け

一方の税理士を目指すのであれば、キャリアアップはもちろん独立開業したい方に向いていると思われます。

自分の専門性を組織の中で極めたい!という方であれば、たとえば以下のようなキャリアアップすることができると思います。

  • Big4税理士法人で国際税務・大企業の税務などで専門性を伸ばす
  • 不動産や相続に強い独立系税理士法人で専門性を伸ばす

さらに税理士は税務申告や税務相談に関する専売特許があるので、実務経験を経たのちに独立開業したり、すでにある税理士事務所を継ぐことも想定できます。

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税理士より先にUSCPAの取得がおすすめな理由3選

もしこれからUSCPAと税理士のダブルライセンスを目指したい!という方の場合、先にUSCPAから先に目指すのがありだと思います。

理由は以下の3点です。

①税理士よりUSCPAの方が難易度が低く勉強期間も短いから

第一に、税理士試験よりもUSCPA試験の方が難易度が低いので合格までに要する期間もUSCPAの方が短くて済むからです。

会計系資格の難易度に関する記事でも書いていますが、USCPAと税理士の難易度・偏差値ランキングは以下のとおりです。(難易度・偏差値は個人の主観に基づきます)

ズバリ、USCPAの難易度は10段階中6〜7、税理士は9〜10に該当するのではないかと思います。

会計系資格難易度ランキング

10(最難関):公認会計士(財務会計・管理会計・租税法)/税理士(所得・法人・消費・相続)
9(超難関):公認会計士(企業法・監査論・経営学)/税理士(簿財・ミニ税法)
8(難関):簿記1級
7(沼):USCPA(AUD・BAR)/CFA Lv2(FRA)/全経上級
6(重い):USCPA(FAR・REG・ISC・TCP)/米国公認管理会計士(Part1)/米国税理士(Part2)/CFA Lv1(FRA)
5(普通):中小企業診断士(財務)/米国公認管理会計士(Part2)/米国税理士(Part1)/証券アナリスト(財務分析・コーポレートファイナンス)/ビジネス会計検定1級
4(基礎):簿記2級/ビジネス会計検定2級
3(入門):全経2級 /米国税理士(Part3)/ビジネス会計検定3級
2(やさしい):簿記3級/全経3級
1(超初級):簿記初級

このように、USCPAもかなり難易度が高い試験ですが、税理士はそれ以上に難しく勉強期間も最短でも2〜3年以上は覚悟しないといけない試験です。

USCPAであれば、簿記英語の基本的な土台ができていれば働きながらでも1年半〜2年での合格を目指せるので、税理士よりもUSCPAの方がチャレンジするハードルは低いです。

なので難易度・勉強期間という観点でみれば、税理士よりもUSCPAを先に勉強するのがベターだと思います。

②USCPA試験の勉強内容を税理士試験でも活かせるから

第二に、USCPAで勉強する財務・会計や税法の基礎内容が税理士試験でも活かせる点は見逃せません。

私は簿記2級に先に合格した上でUSCPAにチャレンジしたのですが、実際にUSCPAに合格してみて、簿記に関しては税理士試験の簿記論・財務諸表論の勉強を開始できるだけの土台はできたのではないかと感じています。

また、制度はかなり違う部分がありますが、USCPAでアメリカの税制を学んだことで、

  • 個人や法人の確定申告の流れ
  • 会計上の損益とは異なる税務上の損金・益金という考え方

など、日本の税理士試験の基本的な税法の考え方にも通じるポイントが理解できたと思っています。

このようにUSCPAを先に勉強した経験は、税理士試験でもしっかり活かせると考えています。

③税理士の勉強に時間がかかってもUSCPAとして高収入を狙えるから

第三に、そもそもUSCPAを保有しているだけでも高収入を狙えるチャンスが非常に多く、税理士勉強期間中のリスクヘッジになるからです。

例えばもし税理士→USCPAの順番で勉強するとなった場合、以下のようなリスクがあると想定できます。

  • 税理士試験の勉強に5年かかってしまい、USCPAをやるモチベーションが下がった
  • 税理士の勉強をやっている間はずっと中小税理士事務所で年収も上がらなかった
  • 先にUSCPAをやっていればBig4監査法人・会計アドバイザリー・FASなどに早々に転職して高収入を狙えたのに勿体無いことをした

はっきり言って、USCPAは受験料もバカにできない金額(1科目10万円)ですしそれなりの勉強期間も1.5年以上かかりますが、かなりコスパの良い資格です。

USCPA合格後に税理士にチャレンジした方が、精神衛生的にも安心して取り組めると考えています。

会計大学院に行くならUSCPAでなく税理士科目免除目的の方がコスパ良し

補足ですが、近年では会計大学院(アカウンティングスクール・アカスク)で日米会計士試験や税理士試験に向けた勉強をする方も増えていると思います。

個人的には、もし会計大学院を有効活用するのであればUSCPA目的ではなく税理士目的で行くべきと考えています。

理由は以下の2点です。

  • USCPA試験の観点:会計大学院に行かなくともUSCPA予備校で会計学の単位が取れるから
  • 税理士試験の観点:会計大学院では「日本の税理士試験の科目免除」という最大のメリットを享受すべきだから

USCPAのために会計大学院に行ったとしても、結局USCPA試験での科目免除制度は存在しないので、どのみち自力で受験・合格していく必要があります。

またUSCPAの受験資格に必要な会計学の単位はUSCPA予備校や放送大学で格安で取得できますので、わざわざ会計大学院へ進むメリットは少ない気がします。

一方、税理士試験であれば勉強の対策だけでなく卒業の際には科目免除もできるので、これを使わない手はありません。

とはいえ、いずれにしても数百万円単位での学費がかかるので、ご自身の経済状況のバランスを考えてから会計大学院を検討された方がいいと思います。

USCPAと税理士の違い比較表

ここからUSCPAと税理士の違いを詳しく見ていきます。

以下のUSCPAと税理士の違いに関する比較表をご覧ください。

  USCPA 税理士
難易度 難しい (偏差値:69) 極めて難しい (偏差値:73)
試験制度 科目合格制(失効あり) 科目合格制(失効なし)
試験形式 四択50%・総合50% 計算50%・理論50% 
受験回数 いつでもOK 年1回(8月)
試験範囲 広い(コア3科目+選択1科目) 広い(簿財2科目+税務3科目)
費用 120万円以上 20万円~100万円
受験資格 高卒以上&会計単位(+ビジネス単位) 簿財:誰でもOK 税務:社会科学1科目履修
合格率 1科目:約38%全科目:約18% 約20%
勉強時間 約1,500時間(約18ヶ月) 約3,000時間
人数 全世界:約664,000名 日本:約8,000名 約80,000名

難易度~人数までの全10ポイントに沿って、順番にご紹介していきます。

①難易度

まずは難易度の違いから。

  USCPA 税理士
難易度 難しい (偏差値:69) 極めて難しい (偏差値:73)

難易度はいずれも難しい部類に入りますが、USCPAよりも税理士の方が難しいです。

USCPAはそれなりのコストをかけて、英語で幅広いビジネス領域を勉強する点で難しいです。

ですが、税理士はそれ以上に試験範囲が広く勉強期間も必要とすることから、USCPAよりも難しいと思われます。

ただ「自分にとってはどちらが難しいか?」については、特にUSCPA受験の前提知識となる英語スキル簿記スキルがどのくらいあるのかで若干変わってくるかもしれません。

例えば「英語が全然ダメだけど簿記や会計は得意」といった方であれば、税理士試験の方が突破しやすい可能性もあります。

②試験制度

試験制度の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
試験制度 科目合格制(失効あり) 科目合格制(失効なし)

実は試験制度はかなり似通っていて、いずれの試験も科目合格制を採用している点が共通しています。

ただしUSCPAの場合、最初に合格した科目のスコア発表日から起算して30ヶ月以内に、3科目すべてに合格することが要求されます。

この18ヶ月を過ぎてしまうと、最初の合格科目から順番に失効(Expire)することになります。

一方の税理士試験は、1度でも合格すれば当該合格科目は永久に有効となります。(USCPA経験者の私からすれば非常にありがたい制度ですね...)

なので「1科目でも合格した後」という観点からみれば、USCPA試験は制限時間を意識しながら全科目を突破しないといけないプレッシャーがあるので税理士試験よりもタイムマネージメント(試験にいつまでに合格するかの戦略を立てる)能力が求められると思います。

③試験形式

試験形式の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
試験形式 四択50%・総合50% 計算50%・理論50% 

USCPA試験の形式としては

  • MC(Multiple Choices):四問択一式問題
  • TBS(Task Based Simulation):総合問題

の2種類に分かれており、4科目とも4時間で問題を解いていくスタイルです。

PC画面を操作しながらの試験なのに加えてなかなかの長丁場なので、4時間とおして英語の文章を読み続ける忍耐力と時間配分がカギを握ります。

一方の税理士試験は、計算・理論問題がそれぞれ50%ずつの配点となっています。

さらに解答方法としては記述式なので、数字の転記ミスや日本語の誤字脱字が命取りにもなりかねない試験という意味では、こちらもかなり労力が必要な試験だと思います。

④受験回数

受験回数の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
受験回数 いつでもOK 年1回(8月)

USCPA試験は、受験資格さえ得られれば年間を通じていつでも受験するチャンスがあります。

一方の税理士試験は、年1回(8月)しか受験チャンスがないので、一発勝負の印象が強いです。

USCPAは受からせる試験で実務をどんどん積ませる文化の一方、日本の税理士試験は試験問題を難しくして間口をせまくし、突破したものだけに資格を付与するといった文化があると思います。

日本の税理士界は高齢化が進んで税理士事務所の存続も危ういところが日本各地で出てきている状況(要するに不足している)で、なぜここまで間口を狭める必要があるのかは分かりませんが、この試験方式のスタンスは今後も変わらないかもしれません。

個人的にはUSCPA試験のように、基本的な知識は資格試験で試した上で、とっとと合格してもらってからどんどん実務経験を積んでもらった方が日本のためになると思いますが、きっと日本の士業の中には反対される方が多いのかもしれないですね...。(個人の主観に基づく考えですのでご容赦ください)

⑤試験範囲(科目数)

試験範囲の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
試験範囲

広い(4科目)

①コア科目(3科目すべてに合格する必要あり)

FAR:財務会計&管理会計の基礎・公会計(政府会計・NPO)
AUD:監査論
REG:税法・ビジネス法

②選択科目(いずれか1科目に合格すればOK)

BAR:財務会計&管理会計の応用論点
TCP:タックスプラニング
ISC:ITシステム

広い(簿財2科目+税務3科目)

必須科目(2科目)

  • 簿記論
  • 財務諸表論

税法科目①(いずれか1科目は必須)

  • 法人税法
  • 所得税法

税法科目②(いずれか2科目に合格)

  • 相続税法
  • 消費税法
  • 酒税法
  • 固定資産税
  • 国税徴収法
  • 住民税
  • 事業税

 

USCPA試験は4科目ですが、税理士試験は簿財2科目に加えて、税務3科目(法人税法or所得税法どちらかが必須)にそれぞれ合格する必要があります。

USCPA試験の4科目はいずれもボリュームがあり、私の場合は1科目合格するのに300〜500時間かかりました。

一方の税理士試験は1科目あたりのボリュームはUSCPAよりも時間のかかる科目が多い印象です。

イメージとしては、USCPA試験で最も時間のかかるFAR(450時間)が、税理士試験の初心者向け科目である簿記論or財務諸表論いずれかの合格に必要な勉強時間(それぞれ450時間)と同程度だと思います。

税理士試験は比較的取り組みやすい会計科目(簿記論・財務諸表論)は突破できるものの、その後の税法科目で沼にハマる(勉強時間がめちゃくちゃかかる)パターンが多いと聞きます。

そのため、私だったら税法科目は簡単な科目を選択してとっとと会計大学院(アカスク)へ進学すると思います。

⑥費用

費用の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
費用 120万円以上 20万円~100万円

私がUSCPA受験で実際に費やした費用は145万円です。

上記の120万円は、4科目すべて1発合格した場合のシミュレーション金額です。

この中にはUSCPA予備校のアビタスの費用だけでなく、受験料(1科目10万円前後)やカフェ代といった諸費用も含んでいるので、予備校の費用だけを考慮している上記の公認会計士の費用とは少し乖離があるかもしれません。

なお、USCPAの独学洋書を使って問題演習することもできますが、それで合格できるかというとかなり微妙です。

個人的には独学はあまり勧められないので、できれば自分に合ったUSCPA予備校に申し込んでからスタートするのがおすすめです。

一方の税理士試験については独学者向けのテキスト・問題集もちらほら書店で見かけますが、知人の税理士の方に聞いたところでは合格者は総じて予備校を活用しているのが実情とのことです。

ただ、最近はスタディングなど価格破壊を起こしている予備校も出てきていますので、自習では限界がある方は大手予備校でなくとも格安で予備校に通学する選択が可能だと思います。

私の通っていたアビタスのUSCPA講座スタディングの税理士講座については以下リンクから詳細を確認できますので、興味のある方は覗いてみてください。

おすすめのUSCPA予備校2選

おすすめの税理士予備校

スタディング簿財59,800円〜。高品質&低価格な講座で合格したい方向け

私自身はアビタスに通ってUSCPAに合格しましたが、結論としてはアビタスを選んで正解でした。

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⑦受験資格

受験資格の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
受験資格 高卒以上&会計単位(+ビジネス単位) 簿財:誰でもOK 税務:社会科学1科目履修

USCPAは受験要件を満たすための条件が厳しく、高卒でも受験できます大学相当レベルの会計単位やビジネス単位を履修している必要があります。

ちなみにこれらの会計学やビジネス単位ですが、アカスクにいかなくとも予備校や放送大学で単位取得する方法があります。

また、USCPAの受験資格は州ごとに得る必要があり、日本人が受験資格を得やすい州というのが存在します。(それが以下の表の5ヶ所です)

私の場合は会計学15単位のみで足りるアラスカ州で出願しましたが、他の受験生もアラスカ州出願の方が多かったと感じます。

州・島嶼地域 受験資格取得条件
日本の高卒・専門卒 日本の大卒 会計学必要単位 ビジネス学必要単位 合計必要単位
モンタナ(MT) 24 (以下含む) financial accounting auditing taxation management accounting 24 48
グアム(GU) 〇 or 120単位 24(以下が該当) Financial Accounting and Reporting (upper division) Auditing and Attestation Services (upper division) Taxation (upper division) Managerial Cost Accounting (upper division) 24 (以下含む) Economics : 6 Finance : 3 Business Law : 3 48
ニューヨーク(NY) 12(各1コース) Financial Accounting(upper division) Auditing(upper division) Taxation Management Accounting 120
アラスカ(AK) 15 15
ワシントン(WA) 24 (内15単位 : upper level or graduate level) 24 150

一方の税理士試験ですが、2023年(令和5年)の試験より受験要件が以下のとおり大幅に緩和されました。

日本税理士会連合会HPより

ポイントとしては、

  • 簿記論・財務諸表論:誰でも受験OK
  • 税法科目:(大卒の場合)社会科学について1科目以上履修していればOK

といった点が大きく緩和されたポイントです。

これまで簿記1級が必要だった要件も撤廃されたことで高校や大学に在学中の方でも受験できるようになった点を踏まえると、受験資格はUSCPAよりも税理士の方がゆるいと思います。

⑧合格率

合格率の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
合格率 1科目:約38%全科目:約18% 約20%

USCPA試験の日本人受験生の1科目あたり合格率ですが、約38%と思われます。

また、4科目すべてを突破した方の割合(全科目合格率)は約18%(全科目合格者325名/日本人受験生全体1,799名)となります。

一方の税理士試験については、いずれの科目も約20%前後といった非常に低い合格率で推移しています。

いずれの試験も複数科目に同時に合格するのはかなり至難の技なので、「この1年(orこの数ヶ月)はどの科目に取り組むのがベストか?」といった戦略が合格のカギを握ると思われます。

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⑨勉強時間

勉強時間の違いは以下のとおりです。

  USCPA 税理士
勉強時間 約1,500時間(約18ヶ月) 約3,000時間

私がかかったUSCPA4科目に合格するまでの勉強時間は、実質16ヶ月&1,450時間でした。

一方の税理士試験については、約3,000時間程度での合格が可能とされる試験ですが、実際の税理士試験合格者からすれば「もっと時間がかかるよ!」というのが実態のようです。

税理士の勉強時間はUSCPAの2倍以上かかる可能性があると覚悟したほうがいいかもしれません。

⑩合格者人数

最後に、それぞれの資格の合格者人数を見てみます。

  USCPA 税理士
人数 全世界:約664,000名 日本:約8,000名 約80,000名

まず2022年4月時点でのUSCPAホルダーは以下のとおり664,532人。

NASBA公式HPより

この中でも、USCPA試験の日本人合格者は推定約8,000人いると思われます。

私も通っていたUSCPA予備校最大手のアビタスによれば、2022年末までにアビタスの累計合格者数が5,500名を突破した一方、日本人受験生の中で3人に2人はアビタス受講生だそうです。

これを踏まえると、5,500人(アビタスの合格者数)×2/3(アビタスの占める合格者数の割合)=約8,000人(日本人合格者の合計)となります。

一方の税理士の人数ですが、以下の通り2020年時点で約80,000人弱で推移しています。

国税庁HPより

これを考えると、希少性といった点ではUSCPAに軍配が上がりますが、日本でのビジネスフィールドを広げるのであれば、独立開業のしやすさで圧倒的なネームバリューのある税理士を目指すのもありだと思います。

難易度が変わる?おすすめのUSCPA予備校3選!

実は、選ぶ予備校によってUSCPA試験の難易度は変わります。

なぜなら、相性の良い予備校ではサクサク学習が進みますし、相性が悪いと当然ながら受験期間が長引くからです。

そこで、このパートではおすすめのUSCPA予備校3校の特徴をご紹介します。

ちなみに私が申し込んだのは最大手のアビタスで、結果的に50万円弱で受講することができました。

どこの予備校が本当におすすめなのかは、あなたとの相性による部分が大きいので、以下の解説を通して慎重に検討されることをおすすめします。

①アビタス

まずはUSCPA予備校最大手「アビタス」のおすすめポイントを簡単にまとめました。

アビタスのおすすめポイント

  • <信頼&実績No.1>これまでの日本人のUSCPA合格者の3人に2人はアビタス卒業生
  • <受験資格サポートも安心>老舗なだけあって難解なUSCPA試験プロセスについても万全のサポート体制
  • <安心の日本語テキスト>各科目ごとの充実した日本語講義&日本語テキストで進められる
  • <長く使える>アカウント有効期間が5年と長いので勉強が中断しても再開しやすい

私自身もアビタスでお世話になりました。

講座のクオリティやサポート体制は申し分なく、さすが大手といったところ。

何よりアビタスはUSCPA試験の合格実績が全予備校の中でも圧倒的No.1(7,000名超)なのが非常に信頼できるポイントです。

他の予備校と比較するとアビタスの講座費用は624,800円と割高ですが、合格に必要なものすべてがそろったプログラムと言えます(割引制度もたくさんあり、これより安くなることが多いです)。

またライフイベントの多い社会人受験生にとって、アカウント有効期間が5年なのも大きな魅力。

しかし校舎数は東京(新宿)・大阪(梅田)の2校のみなのに注意が必要です。

「ある程度コストがかかっても良いから、多くの合格者を輩出しているプログラムでUSCPA試験にチャレンジしたい」という方におすすめです。

おすすめのUSCPA予備校ランキング第1位

アビタス|【圧倒的合格実績】日本人USCPA合格者の約3人に2人が選ぶ王道予備校

②CPA会計学院

続けて、CPA会計学院のおすすめポイントは以下のとおり。

CPA会計学院のおすすめポイント

  • <コスパ良し>39.6万円(実質負担額4.4万円まで下げることも可)とUSCPA予備校の中でもNo.1の安さ
  • <受験資格も楽々ゲット>受験資格を得るのに必要な会計単位・ビジネス単位も講座費用に含まれている
  • <コンテンツも期待大>できたばかりの講座だがクオリティはどんどん上がっていくと期待(テキストはめちゃくちゃ読みやすい!!)
  • <自習室が鬼使える>5ヶ所の校舎・10ヶ所の自習ラウンジ・47都道府県の提携自習室を利用可能

CPA会計学院2023年に開講した講座であり、老舗のアビタスやTACと比較すれば完全な後発組。

しかし40万円弱という圧倒的なコスパの良さや、自習できる場所(校舎・ラウンジ)の充実度を踏まえれば、CPA会計学院がイチオシです。

初期コストを下げたい人にとっては救いとなる予備校でしょう。

新しい講座なのでUSCPAの受験サポートが充実しているのか不安...

という方もいるかもしれませんが、他の予備校で20年以上受験サポートを行ってきたスタッフも在籍されているので、そこは心配不要かと思います。

さらに講座のコンテンツについては日本語テキスト&日本語での解説講義で勉強を進めるので、英語での学習に抵抗がある方でも安心です(ここはアビタスと似てます)。

実際にテキストを読む機会がありましたが、CPA会計学院は日本の公認会計士講座での合格実績がNo.1なだけあって、テキストは非常にわかりやすく理解しやすい内容でした。

最後に、自習環境については予備校の中でも群を抜いて良いです。

ちなみに私が勉強していた期間(だいたい1.5年くらい)は都内のカフェや無料の作業スペースをウロウロしていました。

ですが今考えれば、アビタスもCPA会計学院のように校舎・ラウンジがもっと色んな場所にあれば良かったのに...と思います(だからこそCPA学院の受講生が羨ましいです)。

コスパよくUSCPA試験に取り組みたい方にはCPA会計学院が圧倒的におすすめです。

おすすめのUSCPA予備校ランキング第2位

CPA会計学院|【業界最安】実質4.4万円で始められる注目スクール

③TAC

続けてUSCPA予備校「TAC」のおすすめポイントは以下のとおり。

TACのおすすめポイント

  • <コスパ良し>受講費用は42万円とCPA会計学院とほぼ同額
  • <講座の質はトップレベル>TACの直前対策は他の予備校生も受講するほど信頼性が抜群
  • <受講期間も長め>アカウントの有効期間は3年とそこそこ
  • <全国に校舎が点在>北は札幌〜南は沖縄まで全国の校舎を利用可能

TACもアビタスに並んで老舗であり、CPA会計学院が登場するまではNo.2的なポジションでした。

細かい話ですが、TACはコア科目であるREGの直前対策が秀逸なので有名です。

アビタスでの受講生ですら、わざわざ追加でTACのREG講義を受講する方も一定数いるほどです。

また、AUDも難化傾向にあるので、AUDに合格できず沼っている方であれば単科での受講もありかもしれません。

校舎についてもCPA会計学院に負けじと全国に点在するので、自習室にこだわりたい人にもおすすめ。

講座のクオリティはずば抜けている印象ですので、「とにかく講座・テキストの質にこだわりたい」という方におすすめです。

おすすめのUSCPA予備校ランキング第3位

資格の学校TAC<USCPA(米国公認会計士)>各種コース開講|【教材の質に定評】ハイクオリティな講座&より確実な合格を求める受験生向け

④予備校は費用&自分との相性を考慮して決めるのがおすすめ

上記3校の予備校費用についてまとめると、コストだけでみれば圧倒的にCPA会計学院がお得です。

  1. CPA会計学院:396,000円
  2. TAC:420,000円
  3. アビタス:624,800円

1番目に安いのはCPA会計学院の396,000円

USCPA予備校の中では破格の安さです。

単位取得料もこの受講料金に入っているので、安心してUSCPA試験にトライできると思います。

2番目のTACについては420,000円

TACについては教材の質の高さに定評があり、監査法人にいたTACの合格者の方からは

「教材の分量はかなり多くてしんどいが、やりこめばそれに見合うだけの結果が得られる」

といった話を伺いました。

私が受講したのが3番目のアビタス

一番安いプランでも624,800円と他校より高めですが、合格実績はぶっちぎりのNo.1です。

費用だけ見ればCPA会計学院が安いですが、それぞれの受験生との相性もあるので、しっかり比較検討されてから申し込むのがおすすめです。

忙しい社会人・学生でも合格できる!おすすめのUSCPA予備校3選はこちら

まとめ:USCPAと税理士のダブルライセンスは自分の価値を引き上げる!

以上のとおり、USCPAと税理士のダブルライセンスや、それぞれの資格の比較について解説しました。

いずれの資格も難易度の高い試験であり社会的評価も高い一方、自分の目指したいキャリアによってどちらを目指すべきか変わってくると思います。

しかし、両方を保有することで皆さんの評価は大きくなりますし、(少なくともマイナスになるとは考えにくいです)独立にしても転職にしてもキャリアの幅を大きく広げてくれると思います。

個人的には、学習を始めるのであれば税理士よりUSCPAがおすすめかなと思います。 USCPAが気になる方はぜひ以下おすすめ予備校にて無料パンフレット・セミナーを検討されることをおすすめします。

忙しい社会人・学生でも合格できる!おすすめのUSCPA予備校3選はこちら

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